【2024】GPUレンダリングとは?CPUレンダリングとの違いと操作方法を解説


by Render Pool

1月 15, 2024

GPUレンダリングとは、レンダリングを行う方法の一つです。

レンダリングの方法としてCPUレンダリングとGPUレンダリングがありますが、GPUはパソコンの中でも画像や計算、グラフィックスに強みを持つパーツのため、レンダリングにかかる速度を大幅に削減できます。そのため、大容量の処理が必要なレンダリングで用いられることの多い方法です。

今回は、GPUレンダリングの概要や、GPUレンダリングを活用するメリット・デメリットについて解説します。また、GPUレンダリングのやり方についても詳しく紹介します。3DCG制作を行う方にとって必要不可欠な知識です。ぜひ参考にしてみてください。

GPUレンダリングとは

GPUレンダリングとは、コンピュータのグラフィックス処理装置であるGPUを使用して、レンダリングを行う方法です。GPUは計算やグラフィックスに強いパーツであるため、高速で効率的な画像レンダリングを行うことができます。

昨今、GPUレンダリングは、ゲームや映画などのリアルタイムのグラフィックスの処理に広く利用されています。リアルタイムのレンダリングでは、瞬時に複雑な画像を生成する必要がありますが、GPUの高速な処理能力により、滑らかな映像を実現することができます。

また、最新技術である仮想現実(VR)や拡張現実(AR)などの応用分野でも重要な役割を果たしています。これらの技術では、リアルな環境を再現する必要があり、そのためには高度なグラフィックス処理が求められます。臨場感のある仮想現実体験を実現するために、GPUレンダリングがこれからも進歩していくと考えられるでしょう。

GPUレンダリングの違い

GPUレンダリングは、CPUレンダリングと比較していくつかの特徴があります。

まず、パソコンにかかる負荷を削減できる点がCPUレンダリングの違いです。GPUはグラフィックス処理専用装置であり、画像処理に特化しています。CPUの場合はさまざまなタスクを行いつつ、レンダリングを行いますが、GPUはそれだけに専念して処理を行うため、パソコンにかかる負荷が少なくなります。

また、GPUレンダリングでは高品質なレンダリング結果を得られます。GPUは高速な演算能力を持ち、多くのピクセルを短時間で処理することができます。そのため、滑らかでリアルな画像表現を実現することが可能です。

さらに、大きなデータでも素早くレンダリングが可能です。GPUは並列処理に優れており、複数の画像処理タスクを同時に処理することができます。そのため、大規模なデータや複雑なシーンでも迅速にレンダリングすることができます。

GPUレンダリングを活用するメリット

続いて、GPUレンダリングを活用するメリットについて解説します。

CPUにかかる負荷を削減できる

GPUレンダリングはCPUに比べて負荷が少ないため、CPUの処理能力を他のタスクに割り当てることができます。これにより、プロジェクトの規模が大きく、シーンが複雑な動画の場合でも、CPUの負荷を軽減することが可能となります。その結果、より効率的に作業を進めることができるでしょう。

高品質なレンダリング結果が得られる

GPUは驚異的な演算能力を持ち、短時間で多くのピクセルを処理することが可能です。そのため、滑らかでリアルな画面をスムーズにレンダリングすることができます。

特にゲームや映像制作などの分野では、リアルタイムで高品質なレンダリングを行うことが求められます。没入感のある映像やゲームを制作したいと考えるクリエイターは、GPUレンダリングを行った方が良いでしょう。

大きなデータでも素早くレンダリングができる

GPUは並列処理に優れており、複数の画像処理タスクを同時に処理することができます。そのため、大規模なデータセットや複雑なシーンでも迅速にレンダリングすることができます。

特に、時間の制約があるアニメーションなどのプロジェクトにおいては、効率的なレンダリングが求められますが、そういったシーンでも役立つでしょう。

また、GPUは拡張性も備えており複数のGPUを活用することで、スピード感を持ってより大規模なプロジェクトや高解像度の映像を処理できます。

GPUレンダリングを活用するデメリット

一方で、GPUレンダリングを活用することには次のようなデメリットもあるため、併せて確認しておくことをおすすめします。

設備構築に費用がかかる

GPUレンダリングを活用するためには、高性能なGPUを搭載したパソコンやサーバーが必要です。これには多くの費用がかかるため、予算の面で構築が難しいと感じることもあるでしょう。

昨今はパソコンの価格が少しずつ下がってきていますが、それでもGPUレンダリングを目的としてパソコンを購入するなら、最低でも数十万円程度の費用を見ておかなければなりません。

また、GPUレンダリングを行う場合には大量の電力を消費します。設備を構築する場合には、電気代などランニングコストのことも考えなければならないことには注意が必要です。

もしくは、GPUレンダリングをクラウド上で行えるクラウドレンダリングサービスを活用することで、レンダリングにかかる初期費用を大幅に削減し、費用面での問題を解決できます。

スペックを意識しないと途中でクラッシュする

GPUレンダリングは処理負荷が高いため、適切なスペックのパソコンやサーバーが必要です。スペックが不足した状態でレンダリングを行うと、処理の途中でパソコンがクラッシュする可能性があります。

正常にレンダリングを行うためには、適切なハードウェア環境を整える必要があります。そのため、パソコンやサーバーのスペックを確認し、必要に応じてGPUを増築したり、パソコンを買い替えたりすることを検討しなければなりません。

GPUレンダリングのやり方

続いて、GPUレンダリングのやり方をソフト別で解説します。ここでは多くのユーザーが使っている3DCGソフト「Blender」と「Maya」でのレンダリングのやり方について紹介します。

BlenderでのGPUレンダリングのやり方

BlenderでGPUレンダリングを行う場合は、次の手順を踏んでください。

  1. Blenderを起動し、プロジェクトを開きます。
  2. レンダリング設定パネルを開きます。
  3. レンダリングエンジンを「Cycles」に設定します。
  4. 「レンダー」タブの「デバイス」セクションで「CUDA」または「OpenCL」を選択します。
  5. 必要なテクスチャや照明を追加します。
  6. 「レンダリング」ボタンをクリックするとGPUレンダリングが自動的に開始されます。

注意点として、GPUレンダリングを行うには適切なGPUを用意しておく必要があります。

MayaでのGPUレンダリングのやり方

Mayaでレンダリングを行う場合は、次の操作方法を行いましょう。

  1. Mayaを起動し、プロジェクトを開きます。
  2. レンダリング設定を開き、レンダリングエンジンを「Arnold」に設定します。
  3. 「デバイス」からGPUを選択します。
  4. GPUを選択し、レンダリングを開始します。

GPUレンダリングにかかる時間を短縮する方法

特に、大容量の映像をレンダリングするといった場合は、GPUを活用するとしても多くの時間を必要とする場合があります。GPUレンダリングにかかる時間を短縮したい場合は、次の方法を試してみると良いでしょう。今すぐに取り組めるものなので確認してみてください。

  • レンダリング設定や品質を最適化する
  • クラウドレンダリングサービスを活用する
  • データの最適化や効率化を行う
  • レンダリングタスクを分散して処理する
  • より高性能のパソコンに買い換える

GPUレンダリングを活用する際に知っておきたいこと

GPUレンダリングを活用する際は、いくつかの項目を理解した上で行うべきです。ここでは、GPUレンダリングを行う上で知っておきたいことについて解説します。

GPUレンダリングにはスペックの高いパソコンが必要

GPUレンダリングは非常に処理負荷が高いため、スペックの高いパソコンが必要不可欠です。特に、グラフィックスカードの性能やメモリ容量には細心の注意が必要です。十分なハードウェア環境を整えることにより、滑らかで効率的なレンダリングを実現することができます。

 

具体的には、次のようなスペックを満たすようにとBlender公式から情報が提供されています。

 

推奨スペック

  • 64ビット8コアCPU
  • 32 GB RAM
  • 2560×1440のディスプレイ
  • 3 ボタン マウスまたはペン + タブレット
  • 8 GB VRAM グラフィックス カード

参照元:Blender のシステム要件

特に、GPUレンダリングを行う場合は高いスペックであるほど処理速度が高まっていくため、予算の範囲内で最適なパソコンを選択することをおすすめします。

Blenderの場合EeveeでGPUレンダリングを行えない

Blenderでは、GPUレンダリングを行うための2つのエンジンが用意されており、外部レンダラーを使用しない場合は「Cycles」と「Eevee」を活用します。

CyclesはGPU、CPUの両方に対応しているものの、EeveeはGPUレンダリングに対応していないため、操作を行う際には注意が必要です。

そもそもCyclesは緻密でリアルな画面を作るのに長けているソフトであり、Eeveeは素早くイメージをレンダリングするのに長けているソフトです。用途がまったく異なるため、この機会にぜひ覚えておいてください。

レンダリングには多くの時間がかかる

GPUレンダリングは高速な処理が可能ですが、複雑なシーンや水面の反射、雲の質感を再現するなど、高品質なレンダリングでは依然として時間がかかる場合があります。GPUレンダリングを行うとしても、プロジェクトのスケジュールに余裕を持たせ、レンダリングに十分な時間を確保することが肝心です。

GPUレンダリング用のサーバー構築には費用がかかる

大規模なプロジェクトや複数人での作業において、GPUレンダリングを活用するための専用サーバーを構築することを検討している方もいるかもしれません。自社で内製した方が、コストが安くなるというのは一般的な考え方ですが、レンダリングにおいてはそうではないケースがあります。

電気代やメンテナンスコストなどのランニングコストが発生するため、その部分も構築費用として考えておかなければなりません。レンダリング用のサーバーを構築し、コストを抑えてレンダリングを実行したいと考えている場合は、クラウドレンダリングサービスの活用も検討してみてください。

高品質で時間のかかるレンダリングは「Render Pool」にお任せ

高品質なレンダリングを求める場合、時間がかかることがあります。しかし、当社モルゲンロットが提供するクラウドレンダリングサービス「Render Pool(レンダープール)」を活用すれば、高速かつ高品質なレンダリングを実現することができます。

Render Pool

たとえば、292時間かかっていたレンダリングを15時間、78時間かかっていたレンダリングを9時間に大幅短縮できた事例があります。また、レンダリングにかかる費用は1分3円から、1時間のレンダリングでも最低金額180円で利用できるため、レンダリングにかけるコストの負担を大幅に減らせるでしょう。

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まとめ

GPUレンダリングの概要や、GPUレンダリングを活用するメリット・デメリットについて解説しました。

GPUレンダリングは、高速で効率的な画像レンダリングを実現するための重要な技術です。CPUに比べて負荷が少なく、高品質なレンダリング結果を迅速に得ることができます。

ただし、適切なハードウェア環境や設定、予算など考慮すべき部分はたくさんあります。うまくGPUレンダリングを活用するために、今回解説した内容を参考にしてみてください。