
【2022】レンダリングの意味とは?業界別の活用事例と課題
動画やCG画像製作で必須の「レンダリング」。
身近なところでは、Webブラウザの表示にも利用されています。
技術の進歩によって、写真や実写と変わらないクオリティのCGを作成できるようになり、レンダリングの需要はますます高まっています。
オンラインゲームやVR(バーチャル・リアリティ)の浸透で、レンダリングの活用の幅も広がっています。
さまざまな分野で利用されているため、耳にする機会は増えたけれど「レンダリングとはなにか」「つかみどころがない」と感じている人も少なくないのではないでしょうか?
そこで、今回はレンダリングの仕組みと活用事例、課題などを解説していきます。
Contents
レンダリングの意味とは
レンダリングとは、「描写する」を意味する”render”から来ています。
動画製作、ゲーム、音楽、プロダクトデザイン、建築など多様な分野で利用されています。
プログラムを使ってイメージを生成すること
レンダリングは、コンピュータプログラミングを使って元となる数値データを計算し、画像や音楽を描写するための作業のことです。
プログラミングを用いてデータをまとめることで、画像、映像、音楽など、人間が知覚できる形にすることを目的としています。
レンダリングは、
- ゲームの3DCGイメージ
- 建築パース
- ブラウザ画面
- サンプル製品のイメージ画
など、仮想イメージを具体化するために利用されます。
レンダリングの元となる情報
レンダリングは、描写したいイメージを特定するためのあらゆる情報を指定する必要があります。
必要な情報は求めるアウトプットによって異なります。
たとえば、建築パースを作成するとき、物体の形状、テクスチャ、視点、光源、影などの情報が必要です。
また、動画のレンダリングの場合は、映像、音源、テキスト、効果などです。
レンダリングの手順
レンダリングでは、まず元となる情報を用意する必要があります。
3DCGの場合は、点、線、平面、曲面などを組み合わせ、描写する物体の3次元形状を指定する「モデリング」を行います。
その後、色、テクスチャ、光源などを指定し、レンダリングによって描画します。
動画の場合は、映像、音声、字幕、効果など必要な要素をそれぞれ作成し、レンダリングによってそれらの情報を統合して、1つの動画にまとめます。
レンダリングは、一度で終わりではありません。
作成した画像や映像を確認しながら元情報に調整を加え、目標に近づけていきます。
レンダリングはレンダリングエンジンを使って行う
レンダリングは、レンダリングエンジンと呼ばれる専用のシステムを利用して行います。
レンダリングエンジンとは
レンダリングではさまざまなソフトウェアを使用しますが、それらを総称して「レンダリングエンジン」もしくは「レンダラー」と呼びます。
元データの処理方法はレンダリングエンジンによって異なるため、同じデータでも成果物が変わります。
レンダリングでは、目的に応じたレンダリングエンジンを選ぶ必要があります。
代表的なレンダリングエンジン
レンダリングエンジンは描画するものに応じて異なり、
- アニメやゲームなどで利用される「3DCGレンダリングエンジン」
- Webページの描画に利用される「HTMLレンダリングエンジン」
などがあります。
業界別レンダリングの活用事例
実際にレンダリングがどのように使われているか、業界別に紹介していきましょう。
活用事例①:3DCG
3DCGは、レンダリングが活発に使われる業界の一つです。
試作品のイメージ作成や、建築パースなどが一例で、3次元データの物体や風景を2次元の画像にします。
また、アニメやゲームなどの動画のほか、最近ではVRでも活用されています。
最近特に注目されているのが「リアルタイムレンダリング」です。
リアルタイプレンダリングはVRのほか、ゲームにも活用されています。
非常に速いスピードでレンダリングが行われることでリアル感が増し、体験価値を高める効果があります。
活用事例②:動画
動画製作や映像編集でレンダリングは必須の作業です。
動画に加えた映像効果や、音楽、字幕などを一つのファイルにするとき、レンダリングを行います。
活用事例③:ブラウザ
利用者側は意識する機会はありませんが、Webブラウザもレンダリングが行われています。
HTMLで書かれたソースコードを、人間の目でスムーズに理解する形に描画することがレンダリングの目的です。
ブラウザは、HTMLを始めとするリソース(元となる情報)をダウンロードし、レンダリングエンジンを通して描画します。
- SafariはWebkit
- Google ChromeはBlink
といったように、各ブラウザは対応するレンダリングエンジンを持っています。
レンダリングエンジンによってソースコードの解釈が異なることにより、ブラウザによって表示が異なったり、レイアウトが崩れてしまったりする場合があるのです。
活用事例④:DTM
レンダリングは音楽業界でも利用されています。
DTMとはデスク・トップ・ミュージックの略称で、コンピュータを使った音楽制作のことです。
自分で演奏したり歌ったりした音源だけでなく、パソコン上でさまざまな楽器の音を出すことができるため、手軽さから人気が拡大しています。
ボーカルとピアノやギターなどの楽器音、効果音を組み合わせて一つの楽曲にする際にレンダリングを行います。
レンダリングの課題
さまざまな場面で活用されているレンダリング。
大量なデータ処理を必要とするため、時間と費用のコストが大きいことが課題です。
初期投資やランニングコストが大きくなるため、レンダリングを利用した製作物の単価が高くなってしまいます。
高品質なものほど作成時間がかかる
レンダリングは、プログラミングによってデータ処理を行うことです。
元データが膨大になるほど、処理に時間がかかります。
リアルに近い画像や情報量の多いコンテンツほどデータが多くなるため、高品質なアウトプットを必要とするほど作成時間が長くなってしまうのです。
高額な機材コストが発生
レンダリングにかかる時間は、計算処理速度が速いほど短くなります。
よって、高性能なCPUを使うほど速い処理が可能になりますが、マシンの費用は高額になります。
また、パソコンから画像をディスプレイに映し出すためのグラフィックボードなどの機材も必要で、こちらも高性能なものほど費用が高くなリます。
ほかにも、レンダリングではさまざまなソフトが必要になリ、それらのライセンス料金も高額です。
高品質な成果物を求めるほど、初期コストが上昇してしまうのです。
ランニングコストが高い
高性能なマシンを使っていても、レンダリング中はCPU占有率が非常に高いため、同時に他の作業を行うことは困難です。
レンダリングはサーバにも大きな負荷をかけます。
ほかの作業に支障が出ることを避けるため、レンダリング専用のサーバを用意することが一般的です。
大きな初期費用がかかるレンダリングですが、サーバ利用料や維持管理費用といったランニングコストも発生します。
レンダリング中はパソコンで他の作業ができない、レンダリング待ちの時間が発生するなど、目に見えないコストも無視できないのです。
まとめ
レンダリングは、回数を繰り返すほど品質が向上しますが、そのためには時間と費用がかかります。
レンダリングの需要が増大する中で、これらのコストは大きな課題となっています。
解決策の一つとして注目されるのが、クラウドベースのレンダリングサービスである「レンダーファーム」です。
さまざまなレンダーファームがありますが、予算内でレンダリングを行いたい人には、従量課金制の「Render Pool(レンダープール)」がおすすめです。
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