【解説】Radeon ProRender(プロレンダー)とは?3DCGを高速に制作するコツ
ProRenderについての情報をお探しでしょうか?
ProRenderは、3DCDを制作する人にとって強い味方となります。
なぜなら、大手CPUメーカーが提供しているソフトであり、なおかつ無償で活用できるからです。
今回は、ProRenderについて詳しくお伝えしていきましょう。
ProRenderとは
画像引用元:ProRender
そもそも、ProRender(プロレンダー)とは何なのでしょうか?
ProRenderとは、大手半導体メーカーであるAMD株式会社が提供しているCGクリエイターやアーティストが利用可能なレンダラーソフトのことです。
ここでは、AMDの概要も含めて紹介していきます。
CPUメーカーのAMD
ProRenderを開発しているAMDは、元々パソコンやコンピュータ用のパーツ「CPU」の製造において有名な半導体メーカーです。
正式名称は、「アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」であり、アメリカのカリフォルニアに本社を置いています。
現在では、日本を含めた世界各国のパソコンやIT機器で同社製品が使用されています。
パソコンやコンピュータの頭脳に当たるパーツであるCPU市場において、常に世界でトップシェアだったのは「インテル、入ってる」のキャッチコピーで有名なインテル株式会社ですが、2019年頃からジャンルによってはAMDが世界シェアトップとなっています。
インテルのCPUが、供給不足によって店頭で購入しづらくなったことが主な原因です。
コンシューマ(一般消費者)向けのパソコンやコンピュータでも、ビジネス向けのサーバーでも同様の逆転劇が起きています。
インテルは、CPUとして
- 高性能な「Core i」シリーズ
- 廉価版の「Celeron」シリーズ
- サーバーなど専用コンピュータの「Xeon」シリーズ
などがラインナップされています。
また、AMDは「Ryzen」シリーズのCPUをメインに展開しています。
Ryzenシリーズは近年ユーザーの評価が高く、ProRenderを使ってレンダリングを行う際にはおすすめです。
GPU・グラフィックカードとは
ProRenderを利用しようとすると、「GPU、グラフィックカード」というキーワードが出てきます。
これは一体何なのでしょうか?
GPU(グラフィックカード)とは、パソコンやコンピュータで映像を出力するためのパーツです。
ProRenderなどを使ってレンダリングを行う際には、CPU上で実行する方法とGPUで実行する方法があります。
GPUは、CPUとは別にCGや動画などを処理できるため、比較的スピードが速くなります。
レンダリングの処理はGPUの能力でかかる時間が変わってきます。
できる限りメモリ容量が多く、ハイグレードのGPUをパソコンに搭載しておくとスピードアップにつながります。
PCゲームで有名なRadeon
画像引用元:Radeon
ProRenderは、正式には「AMD Radeon ProRender」と言います。
このRadeonとは、グラフィックボード(GPU)で有名なブランドです。
NVIDIA社のGeForceと並んで、ゲーミングPC用のパーツとしてユーザーに認知されています。
Radeonは、元々ATI社というメーカーが製造していましたが、AMDに吸収されたことにより、2020年現在はAMDが製造・販売しています。
RadeonやGeForceは、コンシューマー(一般ユーザー)向けというイメージが強いですが、機種によってはProRenderとともに利用して3DCGなどのレンダリングに活用できます。
3DCGなどで重要なレンダラー
ProRenderを含め、CGなどでレンダリングを行うソフトを「レンダラー」と呼びます。
レンダラーはレンダリングにおいて重要なソフトで、モデリングで制作したCGに光源から計算した影をつけたり、色をつけたりする機能があります。
レンダラーは、ProRenderのようにハードウェアメーカーが出しているものもありますが、多くはソフトウェアメーカーが販売しています。
アニメ風にレンダリングを行う「トゥーンレンダリング」用レンダラーなど、有償・無償を問わず数多くのレンダラーが開発されていますので、色々と試してみましょう。
ProRenderについて
長々とご説明してきましたが、最後にまとめると、ProRenderとは「CPUメーカーのAMDが提供しているRadeonブランドのレンダリング用レンダラー」です。
ぜひ、3DCGなどの業務や趣味に活用してみてください。
ProRenderを玄人志向のGPUと使用する
画像引用元:玄人志向
パソコンパーツメーカーに「玄人志向」というブランドがあります。
パソコンファンの間では有名なブランドですが、この玄人志向がProRenderとコラボしたGPUを販売しています。
「Radeon RX5700XT」が採用されたGPUとなっています。
玄人志向は、その名のとおり初心者の方には不向きなメーカーです。
GPUパーツなどには店頭や電話でのお客様サポートはついておらず、メールやチャットでのサポートになっています。
ただ、そのぶんリーズナブルに高性能で高品質なパソコンパーツが手に入ります。
廉価なパソコンパーツは、「相性問題」などで使い物にならなかったりするのですが、玄人志向は高品質なため技術的な問題がなければおすすめだと言えます。
BlenderでProRenderを利用する
画像引用元:Blender
ProRenderは、「Blender」という3DCGソフトでも使うことができます。
Blenderは、無償で公開されている総合型のソフトです。
無料ながら、通常の3D制作からアニメーション作成まで対応しています。
ProRenderをプラグインとして利用できますが、Blender専用のProRenderが用意されているため、そちらをダウンロードして使いましょう。
BlenderにProRenderをセットアップすると、CPUとGPUを両方使ってレンダリングが行えるためスピードアップが望めます。
クラウド型レンダリングでProRenderを高速化する
ProRenderでのレンダリングを高速化するには、パソコンやサーバーをより高性能なものに変更するなどさまざまな方法があります。
ただ、レンダリングサーバー導入は非常に高額になる場合があり、また手間もかかります。
その場合、「クラウド型レンダリングサーバー」を利用する方法があります。
クラウド型レンダリングサーバーは、インターネットの向こう側に数百台などのレンダリング用コンピュータが用意されており、自社でサーバーなどを高額なものに買い替えしなくても、レンダリングのスピードを大幅にアップできます。
レンダリング高速化の一つの方法としておすすめです。
まとめ
ProRenderについて紹介してきました。
クラウド型レンダリングサーバーのRender Pool(レンダープール)は、AMD ProRenderでのレンダリングに対応しています。
また、ProRenderは主な3DCGソフトで利用できるため、Render Poolでのクラウドレンダリングで大幅な高速化を期待できます。
前述したBlenderも使用可能です。
1,000台以上のレンダリングサーバーを用意しており、場合によっては何時間もかかるレンダリングを数分に短縮できます。
また、1クリックでの簡単なアップロードにも対応しています。
ぜひ、快適なレンダリングをお楽しみください。
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