【2024】Blenderの「ボーン」とは?追加・結合・動かし方をわかりやすく解説


by Render Pool

7月 13, 2024

Blender(ブレンダー)において、映像を制作したり、制作したモデルを動かしたりする際に使用するのが「ボーン」です。

ボーンをうまく設定することで、3Dモデルを適切に動かすことができ、自分好みのモデルを制作することが可能です。

とはいえ、Blenderのボーンを操作したことがない方にとっては、複雑な作業で難しいと感じることも多いでしょう。

そこで今回は、Blenderのボーンの概要や設定方法について詳しく解説します。

Blenderのボーンをつけてモデルを動かしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Blender(ブレンダー)のボーンとは

そもそも、Blender(ブレンダー)におけるボーンとは、その名のとおり「骨格」のことを指します。

人間や動物に骨があるように、3Dモデルにも骨を設定しなければ、どの部分で関節が曲がるのかを計算できません。

特に、リアルに動くモデルを制作する場合においては、ボーンの設定が必要不可欠となるでしょう。

たとえば、人間の形をしたキャラクターを制作する場合に、腕を頭の上に伸ばすポーズを取らせることを考えます。

もちろん、マテリアルを分けて腕のみを上部に伸ばすこともできますが、細かい部分の設定が必要となり、精密な数値設定を何度も行う必要があるでしょう。

しかし、Blenderのボーンを使用すれば、任意の箇所で関節を自由に曲げられるため、操作に必要な設定を大幅に削減できます。

このように、作業効率向上にボーンが役立つのです。

Blenderにおけるボーンとアーマチュアの関係

Blenderにおいては、骨構造の単体部分を「ボーン」と呼び、ボーンが組み合わさりまとまった構造のことを「アーマチュア」と呼びます。

とはいえ、アーマチュアもボーンもほとんど同じような意味を持っている単語であり「アーマチュア」よりも「ボーン」の方が単語として理解しやすいことから、一般的には「ボーン」と呼ばれることが多いでしょう。

Blenderのボーンとリグの違い

Blenderにおいて、ボーンのことを「リグ」や「リギング」と呼ぶことがあります。

そのため、基本的にはボーンもリグも同じような意味を持つ単語となっています。

Blender(ブレンダー)のボーンの基礎知識

次に、Blender(ブレンダー)のボーンにおいて、詳細部分について解説します。

一括りに「ボーン」と呼びますが、実際のところはさまざまなパーツに分かれています。

それぞれについて詳しく解説しましょう。

ボーンの詳細

ボーンは、主に2つのパーツによって構成されています。

  • Tip
  • Root

Tipは、Blenderにおけるボーンの先端のことを指しています。

また、Rootは、Blenderのボーンの根本のことを指します。

表示形式によってはTipもRootも同じように表示されますが、設定を変更すると、三角形の先端が「Tip」となり、三角形の短辺となる部分が「Root」となります。

親ボーンとは

前述したように、複数のボーンによって構成される「アーマチュア」において、ボーンの1つ上にあるボーンのことを「親ボーン」と呼びます。

親ボーンは構造上1つ下のボーンを制御しており、親ボーンを移動すると、子ボーンも移動するような仕組みとなっています。

子ボーンとは

前述した親ボーンの1つ下に位置しているボーンのことを、「子ボーン」と呼びます。

より具体的にいえば、Tipの先についているのが子ボーンとなります。

子ボーンは親ボーンのように制御する役割を担っておらず、子ボーンを移動しても親ボーンは動きません。

また、ボーンが3つ接続されている場合には、子ボーンであり親ボーンであるという状況も発生します。

Blender(ブレンダー)におけるボーンの使い方

「Blender(ブレンダー)でどうやってボーンを使用すれば良いの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、Blenderにおけるボーンの使い方と手順について詳しく解説します。

モデルを準備する

まずは、Blenderでボーンを設定するモデルを準備しましょう。

今回は、ボーンの使い方を簡潔に解説するため、以下のような立方体のモデルを使用して解説します。

立方体のモデル

ちなみに、パーツがバラバラになっているモデルの場合、ボーン設定が行えません。

そのため、「Ctrl+J」でモデルを接着しておくようにしましょう。

ボーンを入れる

次に、ボーンを入れていきます。

ボーンは、Blenderの3D viewの中心に表示されるため、3Dカーソルが移動している場合には「Shift+S」でカーソルを原点に戻しましょう。

また、モデルが原点から遠い位置に作られている場合には、右クリックで「Selection to Cursor」でモデルをセンターに移動させておくと、操作がしやすくなります。

次に、オブジェクトモードを開き「Zキー」を押し、ワイヤーフレーム表示にします。

ワイヤーフレーム表示にすることでボーンが確認しやすくなり、操作効率がUPします。

ワイヤーフレーム表示にする

ちなみに、人間や動物のモデルなど、左右対象の表現となっている場合には、Toolメニューから「X-Axis Mirror」にチェックを入れ、ボーンをミラー化するのがおすすめです。

Toolメニューが表示されていない場合には、「Nキー」を押すことでToolメニューが右側に表示されます。

「Nキー」を押すことでToolメニューが右側に表示される

その後、Shift+Aキーを押し、「アーマチュア(Armature)」を選択しましょう。

オレンジ色部分がアーマチュア

するとボーンが出てきます。

上記画像のオレンジ色部分がアーマチュアです。

ボーンを複数作成したい場合は、編集モードでTipもしくはRootをクリックし、Eキーで押し出せばそこからボーンが出てくるようになります。

Eキーで押し出すとボーンが出てくる

ボーンとメッシュをペアレントする

次に、ボーンとメッシュをペアリングします。

「メッシュ」→「ボーン」の順にクリックして選択し「Ctrl」+「Pキー」をクリック、With Automatic Weights(自動のウェイトで)を選択すると、ボーンとメッシュを関連づける(ペアレントする)ことが可能です。

With Automatic Weights(自動のウェイトで)

自動のウェイトで

このようにペアレントすることで、ボーンとメッシュが関連づけられ、ボーンの動きに合わせてメッシュも操作できるようになります。

ペアレントが正しく行えているかを確認する際は、アーマチュアを作成した際に出てくる右上「編集モード」の部分に表示される「ポーズモード」をクリックします。

「ポーズモード」

ポーズモードではボーンを「Rキー」で回転させたり、「Gキー」で移動させたりすることが可能です。

この画面でモデルに好きなポーズを取らせることができます。

モデルに好きなポーズを取らせることができる

いったん、すべてのボーンとメッシュがペアレントされているか確認しましょう。

ペアレントされている場合は、ボーンが青色に表示され、任意のボーンを自由に動かすことができます。

ボーンが青色に表示され任意のボーンを自由に動かすことができる

とはいえ、多くの場合ペアレントがうまく行われません。

その場合は、ボーンのウェイトを変更し、正しく動くようにボーンを作り直しましょう。

非常にアナログな作業ですが、モデルを自由変形させるには必要不可欠な操作となります。

ボーンの修正方法については次の項目で詳しく解説します。

ボーンのウェイトを調節する

ボーンの関連づけがうまくいっていない場合には、ボーンの「ウェイトペイント」で操作します。

まずは、ボーンの名前を3Dビューポートに表示させ、自分がどのボーンを操作しているのかわかるようにしておきましょう。

ボーンを選択した状態で、右側プロパティタブに表示されている「Name(名前)」にチェックを入れると、ボーンの名称が表示されるようになります。

「Name(名前)」にチェックを入れる

オブジェクトモードでメッシュを選択

次に、オブジェクトモードでメッシュを選択した状態で画面左上のタブから「Weight Paint(ウェイトペイント)」に切り替えます。

「Weight Paint(ウェイトペイント)」に切り替え

すると、以下画像のように、メッシュとボーンの関連度が色で表示されます。

メッシュとの関連度が高いほど赤色に、関連度が低いほど青色に表示されるため、青色に近い部分のみ変更すればOKです。

メッシュとの関連度が高いほど赤色に、関連度が低いほど青色に表示される

ウェイトペイントモードでは、ペイントを行うことでメッシュのウェイトを調整していきます。

ボーンがうまく反映されていない部分は「濃い青色」もしくは「緑色」に表示されているはずです。

ボーンがうまく反映されていない部分は「濃い青色」もしくは「緑色」に表示される

ウェイトペイントを行う場合、上部メニューの「Weight」で調整します。

「1」に近づけるほどウェイトが赤色に近くなり、0に近づくほど青色に近くなります

つまり、ウェイトが低い箇所には「Weight1.0」で塗っていくと、うまく関連づけられるでしょう。

ウェイトが低い箇所には「Weight1.0」で塗っていくと、うまく関連づけられる

ウェイトがうまく均一になったら、再度ポーズモードに切り替えて、ボーンとウェイトが関連づいているかを確認しましょう。

再度ポーズモードに切り替えてボーンとウェイトが関連づいているか確認する

Blender(ブレンダー)のボーンを使うシーン

ここまでBlender(ブレンダー)のボーンの設定方法について詳しく解説しましたが、どのようなシーンでボーンを使用するのでしょうか?

ここでは、Blenderにおいてボーンを使用するシーンについて詳しく解説します。

キャラクターに動きをつける

キャラクターに動きをつける場合に、ボーンを活用することが多いです。

ボーンを操作することで、キャラクターのモデルに好きなポーズを取らせられます。

キャラクターの動きを理解したいときにボーンを設定すると良いでしょう。

具体的には、キャラクターのモデリングから立体物を製作する場合や、3Dプリンターでキャラクターを出力する場合にBlenderのボーンが役立つはずです。

映像作品でキャラクターを使う

映像作品でキャラクターを使用する場合、何度もキャラクターのポーズを切り替える必要があります。

この操作をマテリアルの移動で対応していると、時間がかかりすぎてしまいます。

ボーンを設定しておけば、比較的簡単な操作でキャラクターを移動でき、映像の製作において効率化を進められるでしょう。

Unityでゲームを作る場合

Blenderは、ゲーム製作アプリケーション「Unity」と互換性が高く、Blenderで設定したボーンをそのままUnityに反映させられます。

そのため、ゲーム製作を行う場合にもボーンが役立つでしょう。

BlenderからUnityに持っていく場合は、ボーンとメッシュの両方を選択した状態で「ファイル」→「エクスポート」→「FBX」というように操作します。

そして、「オブジェクト選択」の「アーマチュア」と「メッシュ」にチェックマークを入れると、Unityで使えるFBXファイルが作成できます。

Unityで使えるFBXファイルが作成できる

アーマチュア・メッシュ

有機的な動きを作りたい場合

モデルに対して有機的な動きを付けたい場合にもボーンが役立ちます。

オブジェクトモードにおけるモデルの移動・回転でもある程度モデルの動きを制御することは可能です。

しかし、基本的には数値によってモデルを移動させるため、無機的な変化になってしまいます。

プロダクトの動作を確認するために移動するのであれば、それでも問題ありません。

しかし、生物的な動作をモデルに反映させることは極めて難しいでしょう。

ボーンの操作であれば、マテリアルの歪みや曲線まで表現できます。

有機的な表現を必要とする場合には、ボーンを設定しておいた方が楽に操作できます。

まとめ

Blender(ブレンダー)におけるボーンの概要や、設定方法について詳しく解説しました。

ボーンを設定することで、モデルを自由かつ有機的に動かせます。

また、映像作品や3Dプリンター出力でも大きな効果を発揮することでしょう。

Blenderのボーン設定は中〜上級者向けの操作方法となりますが、今回の内容を参考にすれば、誰でもボーン設定が行えるはずです。

何度も見返しながらボーン設定の方法を理解してみてください。

また、Blenderにおいて映像作品を製作するなど、レンダリングに容量を必要とする操作を行う場合、多くの時間を必要とします。

また、パソコンのクラッシュにつながる危険性もあるでしょう。

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