【2024】Blenderの「ボーン」とは?追加・結合・動かし方をわかりやすく解説
Blender(ブレンダー)において、映像を制作したり、制作したモデルを動かしたりする際に使用するのが「ボーン」です。
ボーンをうまく設定することで、3Dモデルを適切に動かすことができ、自分好みのモデルを制作することが可能です。
とはいえ、Blenderのボーンを操作したことがない方にとっては、複雑な作業で難しいと感じることも多いでしょう。
そこで今回は、Blenderのボーンの概要や設定方法について詳しく解説します。
Blenderのボーンをつけてモデルを動かしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Blender(ブレンダー)のボーンとは
そもそも、Blender(ブレンダー)におけるボーンとは、その名のとおり「骨格」のことを指します。
人間や動物に骨があるように、3Dモデルにも骨を設定しなければ、どの部分で関節が曲がるのかを計算できません。
特に、リアルに動くモデルを制作する場合においては、ボーンの設定が必要不可欠となるでしょう。
たとえば、人間の形をしたキャラクターを制作する場合に、腕を頭の上に伸ばすポーズを取らせることを考えます。
もちろん、マテリアルを分けて腕のみを上部に伸ばすこともできますが、細かい部分の設定が必要となり、精密な数値設定を何度も行う必要があるでしょう。
しかし、Blenderのボーンを使用すれば、任意の箇所で関節を自由に曲げられるため、操作に必要な設定を大幅に削減できます。
このように、作業効率向上にボーンが役立つのです。
Blenderにおけるボーンとアーマチュアの関係
Blenderにおいては、骨構造の単体部分を「ボーン」と呼び、ボーンが組み合わさりまとまった構造のことを「アーマチュア」と呼びます。
とはいえ、アーマチュアもボーンもほとんど同じような意味を持っている単語であり「アーマチュア」よりも「ボーン」の方が単語として理解しやすいことから、一般的には「ボーン」と呼ばれることが多いでしょう。
Blenderのボーンとリグの違い
Blenderにおいて、ボーンのことを「リグ」や「リギング」と呼ぶことがあります。
そのため、基本的にはボーンもリグも同じような意味を持つ単語となっています。
Blender(ブレンダー)のボーンの基礎知識
次に、Blender(ブレンダー)のボーンにおいて、詳細部分について解説します。
一括りに「ボーン」と呼びますが、実際のところはさまざまなパーツに分かれています。
それぞれについて詳しく解説しましょう。
ボーンの詳細
ボーンは、主に2つのパーツによって構成されています。
- Tip
- Root
Tipは、Blenderにおけるボーンの先端のことを指しています。
また、Rootは、Blenderのボーンの根本のことを指します。
表示形式によってはTipもRootも同じように表示されますが、設定を変更すると、三角形の先端が「Tip」となり、三角形の短辺となる部分が「Root」となります。
親ボーンとは
前述したように、複数のボーンによって構成される「アーマチュア」において、ボーンの1つ上にあるボーンのことを「親ボーン」と呼びます。
親ボーンは構造上1つ下のボーンを制御しており、親ボーンを移動すると、子ボーンも移動するような仕組みとなっています。
子ボーンとは
前述した親ボーンの1つ下に位置しているボーンのことを、「子ボーン」と呼びます。
より具体的にいえば、Tipの先についているのが子ボーンとなります。
子ボーンは親ボーンのように制御する役割を担っておらず、子ボーンを移動しても親ボーンは動きません。
また、ボーンが3つ接続されている場合には、子ボーンであり親ボーンであるという状況も発生します。
Blender(ブレンダー)におけるボーンの使い方
「Blender(ブレンダー)でどうやってボーンを使用すれば良いの?」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、Blenderにおけるボーンの使い方と手順について詳しく解説します。
モデルを準備する
まずは、Blenderでボーンを設定するモデルを準備しましょう。
今回は、ボーンの使い方を簡潔に解説するため、以下のような立方体のモデルを使用して解説します。
ちなみに、パーツがバラバラになっているモデルの場合、ボーン設定が行えません。
そのため、「Ctrl+J」でモデルを接着しておくようにしましょう。
ボーンを入れる
次に、ボーンを入れていきます。
ボーンは、Blenderの3D viewの中心に表示されるため、3Dカーソルが移動している場合には「Shift+S」でカーソルを原点に戻しましょう。
また、モデルが原点から遠い位置に作られている場合には、右クリックで「Selection to Cursor」でモデルをセンターに移動させておくと、操作がしやすくなります。
次に、オブジェクトモードを開き「Zキー」を押し、ワイヤーフレーム表示にします。
ワイヤーフレーム表示にすることでボーンが確認しやすくなり、操作効率がUPします。
ちなみに、人間や動物のモデルなど、左右対象の表現となっている場合には、Toolメニューから「X-Axis Mirror」にチェックを入れ、ボーンをミラー化するのがおすすめです。
Toolメニューが表示されていない場合には、「Nキー」を押すことでToolメニューが右側に表示されます。
その後、Shift+Aキーを押し、「アーマチュア(Armature)」を選択しましょう。
するとボーンが出てきます。
上記画像のオレンジ色部分がアーマチュアです。
ボーンを複数作成したい場合は、編集モードでTipもしくはRootをクリックし、Eキーで押し出せばそこからボーンが出てくるようになります。
ボーンとメッシュをペアレントする
次に、ボーンとメッシュをペアリングします。
「メッシュ」→「ボーン」の順にクリックして選択し「Ctrl」+「Pキー」をクリック、With Automatic Weights(自動のウェイトで)を選択すると、ボーンとメッシュを関連づける(ペアレントする)ことが可能です。
このようにペアレントすることで、ボーンとメッシュが関連づけられ、ボーンの動きに合わせてメッシュも操作できるようになります。
ペアレントが正しく行えているかを確認する際は、アーマチュアを作成した際に出てくる右上「編集モード」の部分に表示される「ポーズモード」をクリックします。
ポーズモードではボーンを「Rキー」で回転させたり、「Gキー」で移動させたりすることが可能です。
この画面でモデルに好きなポーズを取らせることができます。
いったん、すべてのボーンとメッシュがペアレントされているか確認しましょう。
ペアレントされている場合は、ボーンが青色に表示され、任意のボーンを自由に動かすことができます。
とはいえ、多くの場合ペアレントがうまく行われません。
その場合は、ボーンのウェイトを変更し、正しく動くようにボーンを作り直しましょう。
非常にアナログな作業ですが、モデルを自由変形させるには必要不可欠な操作となります。
ボーンの修正方法については次の項目で詳しく解説します。
ボーンのウェイトを調節する
ボーンの関連づけがうまくいっていない場合には、ボーンの「ウェイトペイント」で操作します。
まずは、ボーンの名前を3Dビューポートに表示させ、自分がどのボーンを操作しているのかわかるようにしておきましょう。
ボーンを選択した状態で、右側プロパティタブに表示されている「Name(名前)」にチェックを入れると、ボーンの名称が表示されるようになります。
次に、オブジェクトモードでメッシュを選択した状態で画面左上のタブから「Weight Paint(ウェイトペイント)」に切り替えます。
すると、以下画像のように、メッシュとボーンの関連度が色で表示されます。
メッシュとの関連度が高いほど赤色に、関連度が低いほど青色に表示されるため、青色に近い部分のみ変更すればOKです。
ウェイトペイントモードでは、ペイントを行うことでメッシュのウェイトを調整していきます。
ボーンがうまく反映されていない部分は「濃い青色」もしくは「緑色」に表示されているはずです。
ウェイトペイントを行う場合、上部メニューの「Weight」で調整します。
「1」に近づけるほどウェイトが赤色に近くなり、0に近づくほど青色に近くなります
つまり、ウェイトが低い箇所には「Weight1.0」で塗っていくと、うまく関連づけられるでしょう。
ウェイトがうまく均一になったら、再度ポーズモードに切り替えて、ボーンとウェイトが関連づいているかを確認しましょう。
Blender(ブレンダー)のボーンを使うシーン
ここまでBlender(ブレンダー)のボーンの設定方法について詳しく解説しましたが、どのようなシーンでボーンを使用するのでしょうか?
ここでは、Blenderにおいてボーンを使用するシーンについて詳しく解説します。
キャラクターに動きをつける
キャラクターに動きをつける場合に、ボーンを活用することが多いです。
ボーンを操作することで、キャラクターのモデルに好きなポーズを取らせられます。
キャラクターの動きを理解したいときにボーンを設定すると良いでしょう。
具体的には、キャラクターのモデリングから立体物を製作する場合や、3Dプリンターでキャラクターを出力する場合にBlenderのボーンが役立つはずです。
映像作品でキャラクターを使う
映像作品でキャラクターを使用する場合、何度もキャラクターのポーズを切り替える必要があります。
この操作をマテリアルの移動で対応していると、時間がかかりすぎてしまいます。
ボーンを設定しておけば、比較的簡単な操作でキャラクターを移動でき、映像の製作において効率化を進められるでしょう。
Unityでゲームを作る場合
Blenderは、ゲーム製作アプリケーション「Unity」と互換性が高く、Blenderで設定したボーンをそのままUnityに反映させられます。
そのため、ゲーム製作を行う場合にもボーンが役立つでしょう。
BlenderからUnityに持っていく場合は、ボーンとメッシュの両方を選択した状態で「ファイル」→「エクスポート」→「FBX」というように操作します。
そして、「オブジェクト選択」の「アーマチュア」と「メッシュ」にチェックマークを入れると、Unityで使えるFBXファイルが作成できます。
有機的な動きを作りたい場合
モデルに対して有機的な動きを付けたい場合にもボーンが役立ちます。
オブジェクトモードにおけるモデルの移動・回転でもある程度モデルの動きを制御することは可能です。
しかし、基本的には数値によってモデルを移動させるため、無機的な変化になってしまいます。
プロダクトの動作を確認するために移動するのであれば、それでも問題ありません。
しかし、生物的な動作をモデルに反映させることは極めて難しいでしょう。
ボーンの操作であれば、マテリアルの歪みや曲線まで表現できます。
有機的な表現を必要とする場合には、ボーンを設定しておいた方が楽に操作できます。
まとめ
Blender(ブレンダー)におけるボーンの概要や、設定方法について詳しく解説しました。
ボーンを設定することで、モデルを自由かつ有機的に動かせます。
また、映像作品や3Dプリンター出力でも大きな効果を発揮することでしょう。
Blenderのボーン設定は中〜上級者向けの操作方法となりますが、今回の内容を参考にすれば、誰でもボーン設定が行えるはずです。
何度も見返しながらボーン設定の方法を理解してみてください。
また、Blenderにおいて映像作品を製作するなど、レンダリングに容量を必要とする操作を行う場合、多くの時間を必要とします。
また、パソコンのクラッシュにつながる危険性もあるでしょう。
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