【2024】レンダーファームとは?クラウドレンダリングサービスの利用がおすすめ


by Render Pool

7月 17, 2024

レンダーファームについての情報をお探しでしょうか?業務や趣味でレンダリングを行うには、必要スペックのパソコンを揃えたり、独自でサーバーを構築したり、クラウドのレンダリングサービスを利用したりする方法があります。

ここでは、レンダーファームについて解説し、レンダリング用のサーバー、クラウドのレンダリングサービスについても紹介します。

レンダーファームとは?

レンダーファームとは、3DCG業界や映画業界などの方が作業効率化に利用できる、レンダリング専用のPCやコンピュータを複数台接続し「クラスター」と呼ばれる状態になったコンピュータ群のことです。レンダーファームでは、「サーバー」と呼ばれるコンピュータが利用されています。

レンダーファームは、レンダリングの速度を向上させることに役立ちます。たとえば、1台のPCでレンダリングを行う場合、処理に必要な容量を1台のPCが担うため、レンダリングを行えばその分PCの処理容量が減ります。その結果、スペックの低いPCの場合はそもそも他の操作ができないほど重い状態になってしまうこともあるでしょう。

しかし、レンダーファームには数台のサーバーが使用されているため、1つのタスクを複数台のPCで処理することになります。したがって、1台にかかる負荷が最小限に抑えられます。その結果、途中でクラッシュするリスクを低減させられたり、処理にかかる時間を大幅に削減できたりします。

一方、レンダリングとは、

  • 3DCG制作
  • 動画編集
  • DTM音楽制作

を行う際にPCやコンピュータを使って制作したイメージや作品を処理する作業を意味します。3DCGでは、モデリングで制作したイメージに質感を出したり、DTM音楽制作では楽曲を一つのファイルにまとめたりする処理をレンダリングと呼びます。

レンダリングとは?

レンダリングとは、コンピュータのプログラム(コード)を人間の目から認識できるビジュアルに変化させる作業のことを指します。たとえば、Webサイトを構成しているHTMLのコードは、人間の目から見ればただの記号の羅列に過ぎません。

しかし、サーバーがそれらの記号をうまく変換しユーザーの閲覧可能な状態にしています。これもレンダリングの1種です。3DCG制作におけるレンダリングとは、3次元のモデルを2次元の画像に変換し、閲覧可能な状態にすることを指します。

ちなみに、3DCGの現場におけるレンダリングはコンピュータの処理能力が必要となるため、データの容量が大きいほど変換に時間がかかります。

とはいえ、人間がビジュアルを理解し、「適切なモデルだ」と判断するためにはある程度のクオリティを担保した画像が必要です。したがって、3DCGの分野においてはある程度高度なレンダリングが必要となり、その分レンダリングに多くの時間がかかってしまいます。

このように、3DCGとレンダリングは切っても切り離せない関係性にあり、3DCGを行う方は常にレンダリングのクオリティとかかる時間で頭を悩ませているのです。

アメリカと日本のレンダーファーム

アメリカでは、「クラウド型レンダーファーム」と呼ばれるレンダリングサービスが数多く提供されています。ハリウッド映画など、アメリカの3DCG映像業界は大型の予算の案件が多くレンダリングサービスに予算を回しやすいためです。

一方で、日本国内の映画業界などはアメリカに比べると予算規模が小さいですが、レンダーファームはこれからの発展が期待できます。

  • CGなどを含んだ日本の映画が海外で好評を得ている
  • インターネットによって各業界の国際化が進んでいる
  • 音楽PVで3DCGが利用されている
  • 日本で制作されたアニメーションが動画サイトなどを通じて多くの視聴者に届けられている

など、レンダリングを利用する業界のビジネスチャンスは今後も拡大することが期待できます。そのため、レンダーファームを積極的に導入していくことはおすすめです。

実際に、当社モルゲンロットでは、Render Pool」というクラウドレンダリングサービスを提供しており、CG制作に携わった経験を持ちます。世界中で人気のCGドラマBIOHAZARD:Infinite Darknessの制作を手掛け、AMD社が提供するRadeon ProRenderでのレンダリングに対応しました。

当作品はフルCGアニメーションであり、品質とコストにおいて多くの場面で役立ちました。たとえば、レンダリングは制作における後半工程であり、他の工程の影響によって遅れが生じてしまうことがあります。その結果、多くのレンダリングを同時並行で実施しなければならず、マシンのスペックが必要になることも多いです。

オンプレミスの場合、用意していたサーバーでは耐えきれないことがあり、納期によってはレンダリングのクオリティを部分的に低下させたり、必要なカットを犠牲にしたりすることが必要になってしまいます。

しかし、予想外のレンダリングが必要になったときにも、膨大な量のサーバーを抱えているクラウドレンダリングサービスなら対応できることがあります。本案件でもクラウドレンダリングサービスによって制作にかかる時間を短縮でき、トータルコストも大幅に削減することに成功しています。

レンダーファームを活用するメリット

ここで、レンダーファームを活用することのメリットをまとめます。レンダーファームの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

レンダリングの速度がアップする

1つ目のメリットは、レンダリングの速度を向上させられることです。

前述したようにレンダリングには多くの時間を要することがあり、特にフルCGの映像などの場合、1日ではレンダリングできないこともあります。しかし、レンダーファームを活用すれば、複数台のサーバーでレンダリングを行えるため、1台では膨大な時間がかかるレンダリングを短縮できます。

レンダリング中に他の作業ができる

2つ目のメリットは、レンダリング中に他の作業ができることです。

通常、レンダリング中にはCPUの容量をほとんど使用してしまうため、レンダリング中に他の作業を行うことができません。しかし、レンダーファームを使用すれば、レンダリング中にマシン本体のスペックを使用しないため、他の作業も難なく行えます。そのため、レンダリング中の待ち時間が発生しないため、業務効率を向上させられます。

レンダリングに必要なPCスペック

デザイン事務所などでイメージのレンダリングを行うと、画像処理をするのに非常に時間がかかります。

レンダリングを高速に行うには、かなり高スペックのパソコンやコンピュータを購入して揃えるか、サーバーを導入してレンダーファームを独自に構築する必要があります。

ここでは、レンダリング高速化のためのPCやサーバーのパーツやスペック情報を5つに分けて解説します。

  1. CPU
  2. メモリ
  3. SSD
  4. GPU
  5. 電源

スペック①:CPU

レンダリング高速化に必要なPCやレンダーファーム用サーバーのパーツの一つ目は、CPUです。CPUは、パソコンやサーバーの中でメインのパーツです。

CPUは、外部デバイスやハードディスク、メモリー、周辺機器などからデータを受け取り、制御、演算を行う役割があるパーツとなります。CPUにはさまざまなスペックのものがあり、高性能なものを購入することで、よりレンダリングの時間を短縮できます。

通常のパソコンでレンダリングを高速化するには、インテルの「Core i」シリーズの現在の最上位モデル「Core i9」を選択することがおすすめです。

レンダーファーム構築の場合も高スペックCPUが必要です。

スペック②:メモリ

レンダリング高速化に必要なPCやレンダーファーム用サーバーのパーツの2つ目は「メモリ」です。CPUがエンジンだとすると、メモリはサブエンジンに当たります。

メモリはデータを一時的に保管しておく場所であり、作業中のデータを保管しています。この部分のスペックが低い場合、他の部分のスペックがどれだけ高かったとしても本領を発揮することができないため、レンダリングの高速化を測る際にはとても重要なパーツです。

メモリは多ければ多いほど良いですが、レンダリング時間を短縮したいのなら少なくとも16GB以上、予算に余裕があるなら128GB以上のものを導入するのがおすすめです。レンダリングを高速化するには、メモリを増設しましょう。

スペック③:SSD

レンダリング高速化に必要なPCやレンダーファーム用サーバーのパーツの3つ目は「SSD」です。

SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)は、一昔前のHDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)よりも高速化された記憶装置です。ここにPCやコンピュータ上のすべての情報が記録されます。

HDDよりもSSDが良い理由は2つあります。

まず、ファイルを開く速度が短くなることが挙げられます。この点で、レンダリングにはHDDよりもSSDが良いと言われることが多いです。

また、HDDと比較してSSDには駆動する部分が搭載されていないため、使用時の動作音が気にならないというメリットもあります。このようなメリットがあるため、HDDよりもSSDの方が高価ですが、レンダリングのスピードを上げるには、HDDよりもSSDを導入することをおすすめします。

スペック④:GPU

レンダリング高速化に必要なPCやレンダーファーム用サーバーのパーツの4つ目は「GPU」です。GPU(Graphics Processing Unit)は、別名「グラフィックボード」「グラフィックカード」「ビデオカード」などの呼び方があります。

CGなどをCPUで処理するとPCやコンピュータ全体に負担がかかるため、GPUを映像処理専門のパーツとして利用します。レンダリングソフトによっては、GPUでの処理に対応したものが販売されています。

 GPUは画像や映像を描写する際に必要な計算を行うパーツです。「グラフィックスが綺麗なPC」とよくいいますが、このようなPCには必ず高性能なGPUが搭載されています。また、GPUは画像だけでなく大容量なデータを高速で計算することにも長けており、3DCG制作とも非常に相性の良いパーツです。

高性能なGPUを選択するなら、NVIDIAやGeforce、Radeonシリーズを選ぶことをおすすめします。ただ、場合によってはCPUのみでレンダリング行い、GPUは必要ないこともあります。

スペック⑤:電源

レンダリング高速化に必要なPCやレンダーファーム用サーバーのパーツの5つ目は「電源」です。レンダリングのスピードアップのためにPCやコンピュータのスペックを高くしていくと、より多くの電源が必要になります。

特に、複数台のPCやサーバーを導入した場合、電源工事が必要です。家庭用の電源では対応できないことが多いため、注意しましょう。

レンダーファーム・サーバー構築の必要要素とおすすめメーカー

先ほどお伝えしたように、自社でレンダーファームを構築するにはサーバー用のPCやコンピュータを購入します。専用のサーバーがあれば、レンダリング処理を行っている間に次の3DCGなどの制作に取りかかれます。

レンダリングサーバーやレンダーファームを使ってレンダリングを高速化するには、作業の重さによってはサーバーを複数台用意する必要があります。サーバー用コンピュータは、コンシューマ向けのPCでよく使われているCore iシリーズのCPUではなく、「Xeon(ジーオン)」と呼ばれる専用のCPUが利用されています。

最新のXeonは、「Hewitt Lake」というラインが用意されています。それでは、サーバーを販売するコンピュータメーカーを2社紹介しましょう。

①DELL(デル)

デルは、アメリカ合衆国のパソコン・サーバーメーカーです。日本国内ではNECや富士通などのシェアが高いですが、国際社会全体で見るとデルのPC・サーバーのシェアはトップです(2019年度、ワークステーションのシェアで世界第1位)。

主に法人向けに販売をしており、企業や教育機関で大量にパソコンやサーバーが利用されています。また、個人向けにもリーズナブルPCシリーズを製造しています。

レンダーファームを構築するには、同社の「Power Edge」サーバーシリーズを導入するのがおすすめです。

②Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)

HP(ヒューレット・パッカード)もアメリカのPC・サーバーメーカーです。HPとDELLは、国際社会全体でシェアトップの争いをしています。

法人向け、個人向けともに販売を行っています。レンダーファームを構築するには、HPのサーバーシリーズも向いています。

レンダーファームを活用する際の注意点

ここまで、レンダーファームのメリットやおすすめの構築方法などについて解説しましたが、活用する際にはいくつか注意点があることも把握しておかなければなりません。ここでは、レンダーファームを活用する際の注意点について紹介します。

コストがかかる

1つ目の注意点は、コストがかかることです。

レンダーファームを使用する場合、サーバーやGPU、CPUなどすべてにおいて高いスペックのものが必要となります。実際、業務で必要なレベルのものを構築するのに数百万円の費用がかかることもあります。

メンテナンスや管理の手間がかかる

2つ目の注意点は、メンテナンスや管理の手間がかかることです。

レンダーファームを構築した場合、部品の取り替えが必要になったり、修理したりする必要があります。したがって、レンダーファームを構築する場合にはメンテナンス・管理コストに揉めを配る必要があるでしょう。

設置に多くのスペースが必要になる

3つ目の注意点は、設置に多くのスペースが必要になることです。

レンダーファームを構築する場合、複数台のサーバーを保管するための設備が必要になります。場合によってはサーバーに負荷を与えない環境を作る必要が出てくるため、新たに物件をレンタルしたり、部屋一室を改造したりする必要があるでしょう。

レンダーファームを作る知識が必要になる

4つ目の注意点は、レンダーファームを作るのに知識が必要になることです。

サーバーや必要な設備を導入したとしても、構築するためには専門的な知識が必要です。エンジニアを雇ったり、業者に任せたりして構築することはできますが、その分初期費用がかかってしまうことがあるため、注意が必要です。

クラウド型のレンダーファームサービスならRender Poolがおすすめ

Render Pool

クラウド型のレンダーファームサービスを利用しようと考えているなら、当社モルゲンロットが提供する「Render Pool(レンダープール)」がおすすめです。ここでは、クラウド型のレンダーファームサービスの概要と、Render Poolの3つの魅力について紹介します。

クラウド型のレンダーファームサービスとは?

レンダーファームサービスとは、レンダーファームをクラウド上(インターネット上)で利用できるサービスのことです。通常、レンダリングを行う場合、次のような問題点が生じます。

  • レンダリングに時間がかかる
  • コンピュータの処理能力が追いつかずクラッシュしてしまう
  • 環境整備に大幅な費用がかかる

しかし、クラウド型レンダーファームサービスでは、こういった問題を一気に解消できるため、3DCGモデラーにとって必要不可欠なサービスとなっています。中でも、当社モルゲンロットが提供しているRender Poolは次のような3つのメリットがあり、初心者の方にもおすすめです。

Render Poolの魅力①:低コストで高速なレンダリングを利用可能

レンダーファームを構築する場合、数台のパソコンが必要なため、莫大な費用がかかります。通常、個人でレンダーファームを構築するのは難しいでしょう。

しかし、Render Poolを使用すれば、1,000台以上の高性能サーバーが構築されたレンダーファームをクラウド上で利用できます。費用は、1分あたり3円と低コストで利用可能です。高速なレンダリングを利用できるため、性能に対する費用対効果が高い点は大きな特徴です。

Render Poolの魅力②:デポジット制でレンダリング後の料金加算が不要

Render Poolの料金体系はデポジット制となっており、レンダリング後の料金追加が必要ありません。

たとえば、事前に想定していたよりもレンダリングに時間がかかってしまった場合に、加算時間分の料金は発生しません。つまり、あらかじめ想定されたコストを支払うだけでレンダリングができるため、予算オーバーになってしまう心配がない点は大きな特徴です。

また、月額プランに加入いただくと、通常の料金よりも20%お得に利用できるほか、余ったポイントを翌月に繰り越しできます。毎日レンダリングする方には最適なプランとなっているので、ビジネスで利用する場合はぜひ検討してみてください。

Render Poolの魅力③:初期設定不要で簡単に利用できる

Render Poolは、初期設定不要で簡単に利用を開始できます。ブラウザから「.blendファイル」または「.zipファイル」をアップロードします。レンダリングのフォーマットであるEXR、PNG、MP4の形式を選択し、フレーム値を設定するだけです。

その後、レンダリング開始をクリックすると、レンダリングの動作がスタートします。わかりやすいUIで初心者でも簡単に利用できるほか、Blenderレンダリングに関するマニュアルも完備してあります。わからない部分があっても、すぐに解決に導けるでしょう。

クラウド型レンダーファームRender Poolを使う手順

最後に、当社が提供しているクラウドレンダーファームRender Poolを使う手順を解説します。クラウドレンダーファームを使用した経験が全くない方でも簡単に利用できるため、ぜひ参考にしてみてください。

ファイルをアップロードする

まずは、Render Poolのメニューからファイルをアップロードしましょう。アップロードはファイルをドラッグアンドドロップするだけの直感的な操作でできます。ファイルの形式は.blendもしくは.zipファイルです。

パラメーターを設定する

次に、レンダリングのパラメーターを設定します。パラメーターでは以下の項目を設定しましょう。

  • ファイルフォーマット:EXR、PNG、MP4から選択
  • レンダリング設定:サンプル値やフレームを設定

レンダリングを実行する

そして、レンダリングを実行します。レンダリング開始をクリックするとレンダリングが開始されます。フレームごとに各サーバーがレンダリングを行ってくれるため、レンダリングにかかる時間を大幅に短縮できます。

結果をダウンロードする

レンダリングが完了したら、結果をダウンロードしましょう。

ちなみに、ファイルの準備方法はこちらの記事からご覧いただけます。利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

レンダーファームについて解説しました。

レンダリングスピードを最適化する方法としては、自身で高性能のマシンを購入したり、レンダーファームを構築したりする方法があります。しかし、どれも費用がかかってしまい、個人で使用する方には大きな負担となってしまうでしょう。

そこでおすすめなのが「クラウド型のレンダーファーム」です。こちらのサービスを利用すれば、構築不要でレンダリングの速度を大幅にアップさせられます。コストパフォーマンスにも優れたサービスとなっているため、ぜひ利用を検討してみてください。

また、Render Poolでは、1,000台以上のGPUサーバーを用意しており、場合によっては何時間もかかるレンダリングを数分に短縮できます。1分3円からの低コストを実現。初心者でも利用できる1クリックのアップロードも魅力です。

Render Pool

実際に、292時間かかっていたレンダリングを約15時間にできた実績があります。ちなみに、現在期間限定にはなりますが、Render Poolのトライアルで20ドルのデモクレジットを利用できます。

Render Poolのレンダリングのクオリティを事前に確認できますので、まずは、無料のトライアルから進めてみてください。

ぜひ、快適なレンダリングをお楽しみください!