【2025】Blenderで背景を透過して書き出す方法を初心者向けにわかりやすく解説


by Render Pool

12月 3, 2025

Blenderで背景を透明にして書き出す方法を、静止画、動画、影だけ合成の三つに分けて説明します。設定箇所をできるだけ少なくし、初心者の方でも順番にたどれば失敗しにくい流れになっています。あわせて、重いレンダリングをクラウドで任せられる Render Pool についても紹介します。

Blenderにおける背景透過の全体像

Blenderで背景を透過する方法は、用途によって異なります。最初に自分の目的を確認しておくと迷いにくくなります。

  1. 静止画の透過 → PNG+RGBA
  2. 動画の透過 → PNG連番が最も安全
  3. 影だけ合成 → CyclesのShadow Catcher

Blenderで静止画を透明にする方法

Blenderのレンダー結果を、背景が透明なPNGとして書き出すための基本手順です。サムネイルや商品画像の素材にしたい場合に役立ちます。

設定手順

  1. Render Properties → Film → Transparent をオン
  2. Output Properties → File Format=PNG、Color=RGBA
  3. F12でレンダー → Image → Save As

設定手順

補足ポイント

  • ColorがRGBのままだと透明になりません。必ずRGBAを選んでください。
  • Worldの背景色はFilmで打ち消されるため、表示側に残っていても問題ありません。
  • よくあるJPEGは透明を扱えない形式です。

Blenderでアルファ付き動画を作る方法

背景を透明にした動画を作り、動画編集ソフトで別映像と合成したい場合の手順です。

安全で確実な方法(推奨)

  1. Output Properties → PNG、Color=RGBA
  2. 出力先フォルダを設定(例://renders/####.png)
  3. Ctrl+F12でPNG連番を出力
  4. Video Sequencerや外部ツールで動画化

安全で確実な方法(推奨)

動画ファイルを直接書き出す場合

  • FFmpeg動画+QuickTime(RGBA対応)
  • FFmpeg動画+MPEG-4(互換性は要確認)

動画ファイルを直接書き出す場合

動画向け設定の目安

用途 ファイルフォーマット コンテナ 備考
高品質 FFmpeg動画 QuickTime 編集者向け
手軽 FFmpeg動画 MPEG-4 軽量
最も安全 PNG トラブルに強い

Blenderで影だけを合成する方法(Shadow Catcher)

Shadow Catcher を使うと、背景を透明のまま残しつつ「影だけ」を抽出して合成できます。実写合成や商品画像制作で、床の影だけ自然に載せたい場合などに便利です。

Blenderで影だけを合成する方法(Shadow Catcher)

Cyclesの場合

  1. 地面の平面を選択
  2. Object Properties → Visibility → Shadow Catcher をオン
  3. Render Properties → Film → Transparent
  4. レンダーすると床が非表示になり、影だけが出力されます

Cyclesの場合

Eeveeの場合

  • Shadow Catcherは未実装
  • レンダーパス(Shadow)を合成ノードで処理し、Alpha Overで重ねます

Render Poolを活用したレンダリングの効率化

背景透過が扱えるようになると、次に気になるのがレンダリング時間とPC負荷です。高解像度の透過PNGや、アルファ付き動画を大量に出力する際、手元のPCだけで処理すると時間がかかります。

RenderPool

Render Poolを使うと、.blendファイルをアップロードするだけでクラウド側でレンダリングが完了します。

Render Poolとは

Render Poolは、Blenderなどの3DCGソフトで作ったシーンを高速にレンダリングできるオンラインサービスです。自分のパソコンでレンダリングすると数時間かかるような重いシーンでも、Render Poolにアップロードするだけで、クラウド上の高性能マシンが代わりに計算してくれます。作業中のパソコンは一切重くならないため、レンダリングを待つ時間をほかの制作に充てることができます。

サービスの役割はシンプルで、次の三つにまとめられます。

  1. 利用者の代わりにレンダリングを行う
  2. 高性能なクラウドGPUを使うため大幅に時間を短縮できる
  3. ローカル環境を圧迫せず作業を継続できる

特にアニメーション、Cyclesでの高品質レンダリング、大きな解像度の静止画など、負荷の大きい処理で力を発揮します。必要な操作は、Blendファイルのアップロードと設定の確認だけです。初心者でも扱いやすく、制作時間の短縮や作業効率の向上に役立ちます。

Render Poolが便利な場面

  • 長尺アニメーション(アルファ付き)のレンダリングが必要なとき
  • 透過PNGの商品画像を大量に作りたいとき
  • 背景差し替え画像を短時間で多数用意したいとき
  • PCを重いレンダリングで占有したくないとき

利用の流れ

下記のページからご確認ください。

必要に応じて公式サイトから問い合わせることができます。

Blenderにおける背景透過のよくあるトラブルと解決方法

背景が黒くなったり透明にならない場合、設定の見落としが原因であることがほとんどです。

透明にならないとき

  • Film → Transparent がオフ
  • ColorがRGB
  • JPEGで保存している

ガラス・半透明がうまく透過しないとき

  • Eevee → Material → Blend Mode を Alpha Blend または Alpha Hashed に変更
  • Cyclesのほうが自然な結果になる場合が多い

チェックリスト

  • Film → Transparent はオンか
  • PNG、QuickTimeなどアルファ対応形式か
  • Color=RGBAになっているか
  • 動画はPNG連番で安全に出力しているか
  • 影はShadow Catcher(またはレンダーパス)で処理しているか

まとめ

背景透過の設定で最初に押さえるべきポイントは次の三つです。

  • FilmのTransparentをオン
  • 出力形式でColorをRGBAにする
  • 動画はPNG連番で出力する

この三つができていれば、静止画の透過、アルファ付き動画、影だけの合成までスムーズに扱えます。

高解像度のレンダリングが負担になる場合は、Render Poolを併用すると制作効率が各段に上がります。

Render Poolの詳細や相談は公式サイトから確認できます。