【比較】BlenderとMayaの違いは?使いやすさが高いのは?メリット・デメリットまとめ
3DCG制作をはじめようとしたとき、最初におこなうのは制作用のソフトウェア選びです。
ソフトは有償・無償、対応機能、得意分野などさまざまな違いがあるため、「どれを選べば良いかわからない」と悩む人も少なくありません。
今回は、よく比較される3DCG制作ソフト「Blender(ブレンダー)」と「Maya(マヤ)」について、それぞれの特徴をまとめました。
どんな人に向いているか判断するポイントと、活用のコツも紹介していきます。
Blender(ブレンダー)の特徴
画像引用元:Blender.org
まず取り上げるのは『Blender(ブレンダー)』です。
Blenderとはどんな特徴のある3DCG制作ソフトなのか、メリット・デメリットを具体的に紹介していきます。
Blenderとは
Blenderは、全世界にユーザーがいるオープンソースの3DCG制作ソフトウェアです。
オープンソースのソフトウェアとは、ソースコードが無償で公開されており、私用・商用問わず誰でも自由に改良・再配布ができるものです。
Blenderは世界中のエンジニアやアーティストをはじめとする多数のユーザーに活用されてきました。
1998年の初版リリース以来、現在まで活発にアップグレードが繰り返されています。
誰でも無償で利用できるため、Blenderを選べば3DCG制作をはじめる初期コストを抑えることが可能です。
オープンソースとはいっても、高度な機能を搭載しているBlenderはプロの活用も広がっているのです。
メリット
Blenderは無償で使える以外にも、次のようなさまざまなメリットがあります。
- 日本語に対応している
- モデリングからレンダリングまで対応
- 動画編集も可能
- さまざまなプラットフォームで開発可能
Blenderは日本語に対応しているため、英語が得意でない人にとって敷居が低いソフトです。
また、独学で習得を考える人にとっては、日本語で使い方の解説を調べることができる学習面のメリットがあります。
Blenderはモデリング、アニメーション、シミュレーション、ライティング、レンダリングなど、3DCG制作に必要なすべての工程をカバーした統合型のソフトです。
Blenderさえあれば、自由に3DCGを制作できます。
動画編集にも対応しており、無料で高機能なソフトウェアなのです。
オープンソースであるため、サードパーティー製のツールも充実しており、制作に必要なリソースにアクセスしやすい点も魅力です。
さらに、BlenderはWindows、macOS、Linuxに対応しているので、プラットフォームに依存せず採用することが可能です。
無料なのに高機能で使い勝手が良いところが、初心者からプロまで幅広く活用されている理由です。
デメリット
たくさんのメリットがあるBlenderですが、注意点もあります。
よく言及されるデメリットは習得が難しいという点です。
Blenderは豊富な機能を搭載していますが、すべてを使いこなすには学習が必要です。
また、画面表示や操作法が独特なので、初心者にはハードルが高い面があります。
しかし、3DCGソフトは多少の差はあれど、操作方法を習得するには時間がかかります。
Blenderが飛び抜けて難易度が高いわけではありません。
日本語に対応しており、日本語で情報検索が可能な点も他のソフトと比べてアドバンテージがあります。
Blenderは無料で利用できるので、実際に使ってみて自分に合うか判断することをおすすめします。
Mayaの特徴
画像引用元:Maya
次に紹介するソフトウェアは『Maya(マヤ)』です。
Mayaは3DCG制作の中でもっともシェアが高いソフトです。どんな点が評価されているのか特徴を解説していきましょう。
Mayaとは
MayaはAUTODESKが販売している3DCG制作用ソフトウェアです。
Blender同様に、Mayaのみでモデリングからレンダリング、シミュレーション、アニメーションまでさまざまな制作が可能です。
メリット
Mayaのメリットとしては次の点があげられます。
- プロに利用されシェアが大きい
- アニメーションやVFXの世界で評価が高い
- 教材が豊富
Mayaの最大の魅力は、世界中のトッププロが利用する機能性の高さです。
特に、映像業界では高い評価を得ています。
大小さまざまな企業やクリエイターが利用しているため、3DCG制作を仕事にしたいと考えている人にとっては、「Mayaを習得していることで仕事選択の幅が広がる」と言うこともできるでしょう。
さまざまなツールが搭載されている他、スクリプトを作成することで機能を拡張することが可能なので、より高度な制作にも対応できます。
Mayaは長年プロに愛用されていることもあり、ソフトを使っている時に問題や疑問が出たとき、検索して情報を入手しやすいです。
アニメーション制作や映像効果の技術的なチュートリアル動画なども、Mayaを使ったものが大多数です。
Mayaを活用して制作技術を高めたいという希望がある場合、メリットが大きいと言えます。
デメリット
3DCG制作をはじめる人が、まずMayaに感じるデメリットとしてはライセンス料が高額という点があります。
Mayaは以前は買い切り版も提供していましたが、現在はサブスクリプションモデルのみとなっています。
Mayaを利用するためにはライセンスの購入が必要ですが、価格は1ライセンスあたり1年間で248,000円(税別)と高額です。
期間が3年のものを選んだり、セールのタイミングを狙えばもう少し価格を抑えることが可能ですが、無償で利用できるBlenderと比較すると気軽に利用できない費用です。
ただし、学生の場合は無料でライセンスが提供されます。
3DCGをスタートしたい学生にとってはMayaのデメリットは大きく減ることになります。
その他のデメリットとして、Mayaのスクリプト作成にはプログラミング知識が必要という点があります。
また、対応プラグインもBlenderに比べて多くないため、性能を最大限に活用しようとする場合はプログラミング知識は不可欠と言えます。
3ds Maxと比較されることが多い
Mayaは同じAUTODESKの3DCG制作ソフト「3ds Max」と比較されることが多いです。
画像引用元:3ds Max
3ds Maxは、アニメーションCGや建築分野に強いソフトです。
Mayaと比較し、対応プラグインが豊富な点も魅力です。
欠点として、Mac OS非対応のため、Windowsでしか利用できないことがあります(2020年10月末現在)。
BlenderとMayaどちらを選ぶべき?
BlenderとMayaの特徴とメリット・デメリットを紹介しました。
自分にどちらが合っているかを、どうやって判断すれば良いのでしょうか?
手軽にはじめるなら無料のBlender
「とりあえず3DCG制作を学んでみたい」という人には、無料で使えるBlenderがおすすめです。
Mayaは1年間のライセンス料が1ライセンスあたり248,000円(税別)必要です。
仕事ですぐに使うなら仕方ないですが、初心者が購入するには大きな金額です。
その点、Blenderは無料で利用することができ、手持ちのマシンのOSに関わらず利用することができます。
3DCG制作の基礎知識をつけ、今後どのように習得したいか方向性を見定めるまで、とりあえずBlenderという選択はリスクが低いと言えます。
Mayaは学生や教員など、無償で利用できる場合は検討しても良いでしょう。
学習手段が豊富
Blenderは日本語に対応しているため、数多くの日本人ユーザーがいます。
プロフェッショナルから初心者まで幅広く使われているため、学習教材も容易に入手できます。
Blenderユーザーのコミュニティもあるので、学習しやすいソフトだと言えます。
Blenderではできないことに注意
3DCG制作に関する大部分の内容に対応しているBlenderですが、できないこともあります。
代表的なものは「AR・VRコンテンツ」です。
ARやVRコンテンツを制作する目的の人は、他のソフトウェアを検討しましょう。
ソフトは目的に応じて選ぶのがおすすめ
今回紹介した「Blender」や「Maya」以外にも、さまざまなソフトウェアがあります。
機能、価格、対応環境などさまざまなポイントがありますが、選ぶ際には大きく2つのポイントで確認することをおすすめします。
趣味か仕事かで選択は変わる
Mayaをはじめとする有償ソフトは非常に高額です。
仕事で3DCG制作をおこなう人にとっては必要な出費ですが、まずは趣味からという人には負担が大きくなってしまいます。
まずは無償のBlenderや、機能が制限された廉価版ソフトなどからチャレンジしてみると良いでしょう。
プロの制作現場でもBlenderの活用が広がってはいますが、まだまだMayaが主流です。
ある程度スキルを身につけ、仕事にも使いたいという段階になればMayaなど有償ソフトを検討してみてください。
身につけたスキルは他のソフトへ応用が可能
ソフトごとに操作性に差はありますが、3DCG制作に関する基礎知識はどのソフトにも応用が可能です。
まずは自分の条件に合ったソフトを選択し、基本を身に着けてから目的に合ったソフトを選ぶことをおすすめします。
まとめ
Blender(ブレンダー)とMayaについて、3DCG制作をはじめるならどちらが最適かという目線で紹介しました。
どちらにも特徴と魅力があるので、ご自身の予算と目的に合わせて選択してみてください。
クラウドベースのレンダリングサービスである「Render Pool」はBlenderに対応しています。
3DCG制作に不可欠な工程であるレンダリングを、必要なぶんだけ従量課金で利用することが可能です。
Render PoolとBlenderを使って、3DCG制作をはじめてみませんか?