【2022】Blender(ブレンダー)での3Dモデルの作り方・操作方法は?フリーでどこまでできる?
3Dでモデリングを始める際、最初の一歩としておすすめのソフトが「Blender(ブレンダー)」です。
オープンソースで利用でき、3DCGに必要な機能が一通り入っているため、初心者から中・上級者まで幅広い方が利用すべきソフトとなっています。
また、3Dソフトの中でも比較的操作難易度が低く、導入しやすいことも特徴です。
とはいえ、まったく3Dソフトウェアを活用したことがない方にとっては、難しいと感じることも多いかもしれません。
今回は、Blenderで3DCGを制作する方法やモデリングの基礎的な操作内容、知っておくと得する操作方法まで詳しく解説します。
3Dモデリングの操作方法について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
3DCGが制作できるBlender(ブレンダー)とは
Blender(ブレンダー)とは、3DCGの制作ができるオープンソースのソフトウェアです。
ダウンロードすれば誰でも簡単に利用できますし、無料なのにもかかわらず有料ソフトにも劣らない機能を持っていることが特徴です。
また、本格的な3DCGの映像を制作する会社や、キャラクターをデザインする現場でも利用される実践的なソフトウェアでもあります。
Blenderには、3DCGを制作する上で必要不可欠な機能が網羅的に調整されています。
たとえば、CADのように作成した図面から押し出しを行い精密な製品をデザインできる機能や、キャラクターデザインに役立つポリゴンモデリング機能など、さまざまなツールを駆使してご自身のイメージするモデリングを行うことが可能です。
「無料だから機能が制限されているのでは?」と感じる方は、「Blender モデリング 操作」とGoogleで検索してみてください。
Blenderでなければ不可能な操作があるほど、さまざまな機能が搭載されています。
ちなみに、モデリングの機能だけでなくその後のレンダリングにおいても、高い機能性を保有しています。
CyclesやEeveeなど標準搭載のレンダラーでもある程度きれいにレンダリングできますし、外部のレンダラーをダウンロードし、Blenderと連携させられるため、自分の使途に合わせてカスタマイズしていくことも可能です。
他の3DCGソフトウェアとの違い
3DCGソフトウェアの中で、Blender以外に有名なものは次の3つです。
- Maya
- Fusion 360
- 3ds max
これらのソフトウェアには、Blenderに勝る機能が搭載されていることもあります。
しかし、Blenderには、これらのソフトウェアと大きな違いが2つあります。
最も大きな違いは、Blenderは価格が永年無料であることです。
他のソフトウェアは買い切りで数十万円や、サブスクリプションサービスで月額数千円という料金形態であることが多いのですが、Blenderなら完全無料で利用できます。
また、ソフトが軽い点も特徴です。
他のツールは複雑な物理計算を行うため大容量のPCを活用しなければならないケースもあります。
一方で、Blenderはシンプルで標準的な機能のものが揃っているため、一昔前のノートPCでも簡単に開けます。
とはいえ、すべての機能が劣っているわけではありません。
アドオンを活用することで、機能性を向上させられるため、自分の用途に合わせて最適な機能をカスタマイズできる点はBlenderの大きなメリットでしょう。
Blender(ブレンダー)における3DCGの作り方
Blender(ブレンダー)では以下の方法で3DCGを作っていきます。
- ポリゴンモデリング
- スカルプトモデリング
ポリゴンモデリングは、3つ以上の点をつないで作った面によってモデルを制作する方法です。
基本的には三角形、四角形のポリゴンを複数集めて立体物を構築していきます。
多角形をうまく組み合わせることで、立方体や球体などさまざまな形を生み出すことができます。
スカルプトモデリングとは、粘土のような物体を削ったり加えたりしながらモデルを制作する方法です。
直感的な操作でモデルを作れるため、まったく未経験の方でもある程度クオリティの高いモデルを制作できます。
いずれかの方法もしくは、両方を組み合わせてイメージを表現していくのがBlenderの基本的な操作方法となります。
Blenderのモデリングとは
Blenderにおけるモデリングとは、立体を形作る作業のことを指します。
3DCGの制作においては次のような流れでイメージを具現化していきます。
- モデリング
- 表面のテクスチャ貼り
- レンダリング
このように、モデリングはすべての工程の基盤となる部分を担います。
つまり、モデリングの制度によって立体の仕上がりが決まる重要な操作なのです。
Blender(ブレンダー)で3Dモデリングを行う作業内容
Blenderでモデリングを行う場合、「ポリゴンモデリング」と「スカルプトモデリング」の操作方法を理解する必要があります。
スカルプトモデリングはブラシを駆使して直感的な操作ができるため、誰でも簡単にモデリングができるでしょう。
しかし、ポリゴンモデリングは少し癖のある操作方法のため、3DCG未経験者は、基本的な操作方法を理解しておかなければなりません。
ここでは、Blenderの 3Dモデリングで知っておきたい10の操作方法について解説していきます。
オブジェクトを削除
オブジェクトの削除はBlenderの「編集モード」から行います。
- 編集モードを選択
- キーボードの「Xキー」を押す
- 「頂点」「辺」「面」を指定する
オブジェクトの削除は「頂点」「辺」「面」の選択によって削除される部分が大きく異なります。
そのため、どのように操作が行われるのかを理解してから削除するようにしましょう。
ちなみに、誤った箇所を削除してしまった場合は、「Ctrl(command)+Z」を押せば元通りになります。
拡張/収縮
拡張/収縮は、面を膨らませられる機能です。次のような手順で操作します。
- 編集モードを選択
- 左ツールバーの「収縮/拡張ツール」をクリック
- モデルの点・辺・頂点を選択し、移動させることで収縮/拡大が可能
オブジェクトの分割
オブジェクトの分割は、分割線を追加する操作です。
前述した「収縮/拡張ツール」を使用する際、思うような頂点・辺・面を選択できない場合に役立ちます。
オブジェクトの分割は以下の手順で操作しましょう。
- 編集モードをクリック
- 左ツールバーの「ループカット」を選択
- 対象モデルにカーソルを持っていく
ループカットで対象モデルにカーソルを持っていくと、黄色の分割線が出来上がります。
そこでクリックするとループカットを実行できます。
分割線を適度に用意しておくことで、モデルを編集しやすくなりますが、分割しすぎると選択するのに時間がかかるため、必要以上にループカットを行わないようにしましょう。
ちなみに、選択時にマウスの左クリックボタンを押したままカーソルを動かすと、任意の場所に分割線を引くことができます。
頂点を連結
頂点の連結は収縮/拡張ツールを活用する際に以下操作を行うことで、自動で頂点が結合されます。
- 「収縮/拡張ツール」を選択後、画面右上の「オプション」をクリック
「自動マージ」にチェックを入れる
そうすると、重なった点が自動で結合されます。
頂点の結合
頂点の結合は次の操作方法で行います。
- 上部タブの「メッシュ」をクリック
- 「マージ」をクリック
ちなみに、マージにはさまざまな選択肢が用意されており、選択した方法によって操作が変化します。
カット
カットは、前述した「ループカット」よりも自由度の高い線が引ける機能です。
ナイフツールは次のように使います。
- 左ツールバーの「ナイフ」をクリック
- 対象モデルにカーソルを持っていく
このように、自由度の高い線が引けます。
頂点を揃える
頂点が乱れていると、操作がしづらくなってしまいます。
そのため、適宜頂点を揃えて編集しやすくすることが大切です。
具体的には、次のような操作を行います。
- 線を選択
- 「収縮/拡張ツール」で選択した部分を移動
- そのままの状態でキーボードの「0(ゼロ)」をクリック
この操作を行うことで移動していたとしても、任意の頂点が整列するため、きれいなモデルに仕上げられます。
オブジェクトの追加
オブジェクトの追加は次の操作で行います。
- ヘッダーの「追加」をクリック
- 任意の形状を選択
ちなみに、「オブジェクトモード」で追加を行うと、より多くの種類の中からモデルを選択できます。
モデルのサイズ変更
モデルのサイズ変更は「スケール」から行います。
- 左ツールバーの「スケール」をクリック
- 拡大・縮小する
そうすることで、立体のサイズ感を変更可能です。
ループ選択
ループ選択は、任意の点から上下・左右いずれかの周囲を同時に選択できる機能です。
仮に、人間の形をしたモデルがあった場合、複数の頂点・辺・面を一気に選択するのには多くの時間を必要とします。
しかし、ループ選択を行えば周囲を1秒程度で選択可能です。
- alt(option)+クリック
こちらの操作を行うことで、周囲をクリックできます。
ただし、上下・左右の任意の場所を選択するには少しコツが必要なので、注意しましょう。
Blender(ブレンダー)の3Dモデリングで知っておくべき操作方法
次に、Blender(ブレンダー)の3Dモデリングで知っておくと、作業を効率化できる操作方法について紹介します。
サイズ変更
拡大縮小のサイズ変更では、モデルの一部分だけを選択可能です。
- 編集モード→「選択の拡大縮小」
また、テンキーがある場合にはショートカットキーを活用するのもおすすめです。
押し出し
押し出しとは、既存の面や線を押し出して新たなモデルを作る方法です。
- 編集モードを選択
- 左ツールバー「押し出し」をクリック
- 任意の箇所をクリックし、押し出す
画像のような形で押し出しができます。
スムーズシェード
スムーズシェードとは、曲面をなめらかにできる操作方法です。
「スムーズシェード」「フラットシェード」いずれかを使用して、なめらかにしていきます。
- オブジェクトモードを選択
- 「スムーズシェード」「フラットシェード」をクリック
サブディビジョンサーフェス
サブディビジョンサーフェスは、モデルの表面をなめらかに見せる方法のことです。
適用しただけではモデル自体はなめらかではありませんが、見た目だけを変化させられるため、データ容量を圧迫せずに曲面を作れます。
- 右側「プロパティタブ」をクリック
- 「モディファイアーの追加」→サブディビジョンサーフェス
ちなみに、右側の数値を変更すると、モディファイアーのプレビュー状態も変化します。
頂点の結合
頂点の結合に使えるのが「スナップの結合」です。
- 画面上部の「スナップをクリック」
- 近接、中心、中点を選択
選択の仕方によって、モデルを単純化・複雑化できます。
まとめ
Blender(ブレンダー)で3DCGを制作する方法やモデリングの基礎的な操作内容、知っておくと得する操作方法まで詳しく解説しました。
本記事で紹介した以外にもBlenderの操作方法は多数存在し、さまざまな手法を用いることでモデルを制作していきます。しかし、基本的には本記事で紹介した内容で高クオリティのモデルを制作できるため、ぜひ参考にしてみてください。
また、モデリングを行った後、画面のクオリティを上げるために必要な操作が「レンダリング」です。特に、形状・テクスチャにこだわったモデルの場合、レンダリングに大幅な時間がかかることもあります。
「レンダリングにかかる時間を短縮したい」「レンダリングでパソコンの容量を使いたくない」とお考えの場合には、当社モルゲンロットが提供している「Render Pool(レンダープール)」の活用がおすすめです。
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通常、クラウドレンダリングサービスを利用すると大幅なコストがかかりますが、そういった心配もありません。
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