
【2023】Blenderの使い方をわかりやすく解説!モデリングの手順・操作方法
Blender(ブレンダー)で3DCG制作をはじめようと考えている方の中には「操作が独特すぎてわからない」「自分には3Dモデリングは難しいかもしれない」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに、Blenderならではの独特な操作が多数存在しているため、難しいと感じるケースも多いでしょう。
今回は、Blenderで3DCG制作を行う上で知っておきたい操作方法やモデリングの手順について紹介します。3DCGに挑戦してみようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Blender(ブレンダー)とは
Blender(ブレンダー)は、3Dモデリングやアニメーション、ビジュアルエフェクト、ゲーム開発などのコンピュータグラフィックスを制作するために開発されたオープンソースのソフトウェアです。Linux、Windows、MacOSなどの主要なシステムでは動くため、汎用性の高いソフトウェアとして3DCGソフトの中でも人気が高いです。
1995年にオランダのトン・ローセンダール氏によって設計され開発されました。そこから変遷を繰り返し、現在は非営利法人として世界中のユーザーの寄付によって成り立っています。
Blenderは豊富な3Dモデリング機能を提供しており、オブジェクトを作成、編集、撮影できるほか、スカルプトモードも活用することができます。さらに、アニメーション、シミュレーション、テクスチャリングなどの用途で活用できるツールが備わっていることも特徴です。
また、Blenderはユーザーが機能を拡張していけるよう、新たなプラグインやツールを開発することを許可しています。無料で使えるほか、ユーザーが自分自身で機能性を高められる点が世間に評価され、2023年現在では300万人を超えるユーザーに使われています。
Blender(ブレンダー)の使い方①:モデリングの手順
まずは、Blender(ブレンダー)の使い方としてモデリングの基本的な手順について紹介します。
手順1:メッシュを加工してモデリングする
1つ目の手順は、モデリングです。
まず、モデリングするオブジェクトの形状を想像し、それに合わせて基本的な形状のメッシュを作成します。
その後、モデルの詳細を加工するためにメッシュの編集を行います。その際の加工方法はさまざまなものがあり、頂点やエッジを移動したり、スケールで拡大したり、回転したりすることで形状を変化させていくことが可能です。また、サーフェスでメッシュの表面を拡張し、曲面や凹凸などの複雑な形状を作成することもできます。
このようなさまざまな加工を繰り返しながらメッシュの形状を自分のイメージした形状に近づけていくのがモデリングの作業内容です。ここで制作したモデルの制度が最終的なクオリティにも大きく影響するため、慎重に作業を行う必要があります。
手順2:マテリアルを設定する
2つ目の手順はマテリアルの設定です。
手順1で制作した3Dモデルに質感や色味を追加するステップであり、ここで形状以外の情報を追加することができます。たとえば、立方体がコンクリートでできているのかプラスチックなのか、スポンジなのかといった情報を反映させることが可能です。
ちなみに、マテリアルの設定は「プロパティタブ」の「新しいマテリアルを追加」から簡単に行うことができます。モデルの表現力を高める上では必要不可欠な操作ですので、モデルを制作する上では必要不可欠な操作だといえるでしょう。
手順3:テクスチャをつける
3つ目の手順は、テクスチャづけです。
Blenderのモデリングにおいてテクスチャを設定することで、オブジェクトに画像や模様を付けることができます。たとえば、立方体のモデルでは箱かブロックかというように何を表しているのかがわかりませんが、模様をつければサイコロだということがわかるでしょう。
このように、形状以外の新たな情報を追加する役割がテクスチャにはあります。テクスチャをつける作業は少し複雑ですが、慣れればそこまで難しいものではありません。ここでは、簡単に流れだけ紹介します。
- テクスチャとして活用する画像を用意する
- UV展開を行う
- マテリアルプロパティからテクスチャを追加する
- 回転、サイズ、透明度などを調整する
以上の手順で、オブジェクトに適切なテクスチャを設定することで、よりリアルな3Dモデルを作成することができます。また、Blenderには豊富なテクスチャ作成機能が搭載されており、手描きのテクスチャを直接モデルに書き込む機能もあります。
手順4:ボーン設定で動きをつける
4つ目の手順は、ボーン設定です。
Blenderには3Dモデリングやアニメーション制作に役立つ機能が搭載されており、設定できるようになっています。ボーンは、人間の骨格と同様にモデルに動きを与えるためのものであり、文字どおり「骨」のようなものです。
モデルによっても設定方法が異なりますが、手順としては次のようにボーンを追加していきます。
- 「Shift+A」キーを押し、メニューから「Armature」を選択する
- 編集モード→「Ctrl+左クリック」でボーンを追加する
- ボーンの名前や角度などの情報を追加する
ボーンを設定することで、人間のように滑らかな動きを実現することができます。ボーン設定はアニメーション制作において必要不可欠な操作であるため、映像を制作したい場合には習得が必須です。
手順5:光源・カメラを調整する
5つ目の手順は、光源・カメラの調整です。
Blenderでは、3Dモデルを作成した後に、光源とカメラの調整が必要になります。光源を調整することで、モデルの見え方や影の表現を調整することができます。また、カメラを調整することで、モデルの撮影アングルや視点を調整することができます。
まず、光源の調整方法に関して、Blenderではさまざまな種類の光源を使用することができます。たとえば、ポイントライト、スポットライト、サンライトなどが挙げられます。「Shift+A」キーを押してメニューから光源を選択し、プロパティパネルで設定を行うことが可能です。
次に、カメラの調整方法に関して、Blenderでは、3Dビューポート内にカメラを追加することができます。また、既存のカメラを選択して設定を調整することも可能です。位置、方向、視野角などの設定を行うことで、モデルの撮影アングルや視点を調整することができます。
手順6:レンダリングで画像を作る
6つ目の手順はレンダリングです。
レンダリングは3Dモデルを仮想空間内で表現し、モデルからカメラまでの距離や照明の条件などを指定して最終的な画像を生成するプロセスです。レンダリングには、CPUやGPUを使用したレイトレーシング、ラスタライゼーション、トゥーンレンダリングなどの技法があります。より写真に近いフォトリアルな画像を作るほどレンダリングに時間がかかってしまいます。
レンダリングはBlender自体で行うこともできますが、外部レンダラーである「V-ray」や「Redshift」などのソフトを用いてレンダリングを行うことも可能です。外部レンダラーは使用すると費用が高くなりがちですが、その分高品質なレンダリングが可能になることを覚えておきましょう。
Blender(ブレンダー)の使い方②:基本操作
次に、Blender(ブレンダー)で行うことができる基本的な操作について紹介します。
オブジェクトの配置
オブジェクトの配置は、任意のオブジェクトを画面上に配置する機能のことです。さまざまな形状のモデルが存在しており、最もイメージに近いモデルを用意すると、編集作業がしやすくなります。
オブジェクトの配置は、上部タブの「追加」から行うことができます。
オブジェクトの削除
オブジェクトの削除は、配置されているオブジェクトを削除する機能です。必要がなくなったオブジェクトを非表示にすることもできますが、今後一才使用する予定がないオブジェクトは削除してしまった方が容量を抑えられるでしょう。
オブジェクトの削除は「右クリック」→「削除」から行うことができます。
オブジェクトの選択
オブジェクトの選択とは、複数のオブジェクトの中から任意のオブジェクトを選択する操作のことを指します。具体的には、以下のような形でオブジェクトをクリックすると選択可能です。ちなみに、選択されたオブジェクトはオレンジ色に光ります。
オブジェクトの選択切り替え
オブジェクトの選択切り替えとは、「編集モード」において選択する部分を切り替える機能のことです。「編集モード」と記載されている部分の横側にある3つの四角いボックスが選択切り替え機能となります。
モデルの編集時に点・線・面の選択を切り替える際に役立つ機能となっています。
オブジェクトの収縮・膨張
オブジェクトの収縮・膨張は、メッシュを拡大・縮小する機能です。「拡大・縮小」よりも滑らかな平面を作れる機能となっています。有機的な形状のモデルを制作する場合には重宝する機能でしょう。
オブジェクトの収縮・膨張は「メッシュ」→「トランスフォーム」→「収縮/膨張」で操作できます。「オブジェクトモード」「編集モード」のどちらでも使用することができます。
オブジェクトのスケールアップ
オブジェクトのスケール機能は、選択した部分の大きさを拡大・縮小できる機能です。前述した「収縮・膨張」よりも極端に大きくなったり小さくなったりすることが特徴です。
オブジェクトの回転
オブジェクトの回転は、選択した部分を回転させられる機能です。「オブジェクトモード」「編集モード」のどちらでも使用することができます。編集モードの場合、点や面、辺のみを回転させることもできます。
モード切り替え
左上に配置されている「タブ」からモードを切り替えられます。それぞれのモードには以下のような特徴があります。
- オブジェクトモード:拡大・縮小、回転など立体を動かせる機能
- 編集モード:押し出しなど細かい編集ができる機能
- スカルプトモード:粘土のように形を作れる機能
- 頂点ペイント:頂点に色を指定できる機能
- ウェイトペイント:ボーンがどのくらいオブジェクトを動かすのかを数値で示す機能
- テクスチャペイント:3Dモデルに直接色を塗れるモード
押し出し
押し出しとは、選択した部分を押し出すことができる機能です。編集モードで選択した点や辺、面を移動させ、その間にサーフェスを作ることができます。押し出しを使用することで、単純な形状を複雑に変化させていくことができます。
オブジェクトの分割
オブジェクトの分割は、一つのメッシュを頂点や辺・面で2つのメッシュに分割できる機能です。形の中で別オブジェクトとして扱いたい部分がある場合に役立ちます。
オブジェクトの分割は、「編集モード」で分割したい頂点・辺・面を選択し、「Pキー」→「選択物」をクリックすることで分割が可能です。
スムーズシェード
スムーズシェードは、オブジェクトの見た目をスムーズに変化させられる機能のことです。
たとえば、以下の「モンキー」のモデルがあります。デフォルトでは「フラットシェード」になっており、少し角張ったデザインになっているでしょう。
しかし、「右クリック」→「スムーズシェード」と操作すると、次のように見た目が変化します。
また、同様の操作で「フラットシェード」に変化させることもできます。
Blender(ブレンダー)のインストール方法
最後に、Blender(ブレンダー)のインストール方法を紹介します。主に以下の手順で行うことが可能です。
- Google等の検索エンジンで「Blender」と検索し、公式サイトへアクセスする
- 「Downroad Blender3.4.1」をクリックする
- ファイルからインストールする
インストールの際に注意が必要なのは、「Blender」と検索しているにもかかわらず、非公式サイトが表示されることがある点です。Blender公式サイトを偽ってアクセス数を増やそうとしているサイトや、ウィルスソフトを提供しようとしているサイトがあるため、細心の注意を払いましょう。
Blenderのインストール後に行っておくべき設定
次に、Blenderのインストール後に行っておくべき設定について紹介します。まず、ソフトを開くと、デフォルトで初期設定画面の表示が出ます。
この画面で「Language」→「日本語」とクリックすることで、日本語化ができます。ちなみに、この画面で操作を行わなかった場合は少し手間が増えてしまうため、事前に日本語化することがおすすめです。
まとめ
Blender(ブレンダー)の使い方について解説しました。
Blenderを使用したことがない方にとっては、難しいと感じる部分もあるかもしれません。しかし、一つひとつの操作を覚えていけば、操作方法を熟知でき直感的に操作が行えるようになるでしょう。今回紹介した内容を参考に、ぜひBlenderの使い方について理解を深めてみてください。
また、Blenderで映像制作を行おうと考えている場合、レンダリングに時間がかかるというデメリットがあります。制作物のクオリティによっては1日かけてもレンダリングが行えないことがあるため注意が必要です。そういった場合には、当社モルゲンロットが提供する「Render Pool」を活用することをおすすめします。
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