【2025】Blenderでテクスチャペイントを始める方法は?手順とコツをわかりやすく解説


by Render Pool

1月 22, 2025

「テクスチャペイントをマスターしたいけど、どこから始めればいいの?」 「Blenderの機能が多すぎて、何を覚えればいいのかわからない?」と疑問を抱えていませんか?

この記事では、Blenderのテクスチャペイントの方法や準備方法、テクスチャを作成する際のコツについて紹介します。

この記事を最後まで読むことで、Blenderのテクスチャペイント機能を効率的に使いこなせるようになります。3Dモデルに魅力的な質感を付け加え、よりリアルな作品を制作できるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

Blenderにおけるテクスチャペイントとは?

Blenderのテクスチャペイントは、3Dモデルの表面に直接絵を描くことができる機能です。

たとえば、キャラクターの顔に模様を描いたり、建物の壁にレンガの質感を追加したりすることができます。通常の2Dペイントと異なり、モデルの形状に沿って自然に描画できるため、立体感のある質感表現が可能になります。

テクスチャペイントの特徴は、3Dビューで見ながらリアルタイムに描画結果を確認できる点にあります。まるで実物に絵を描くような感覚で作業できるため、初心者でも直感的に扱えます。

また、ブラシの種類や強さ、色の設定なども細かく調整できるため、細かい制作にも対応できます。

この機能を使うことで、3Dモデルに個性的な表情や雰囲気を簡単に付け加えることができ、よりリアルで魅力的な作品制作が可能です。

Blenderでテクスチャペイントを始めるための準備

Blenderでテクスチャペイントを行う場合、いくつか必要な道具があります。

  • 必要なソフトウェアと推奨スペック
  • 必要な道具

この2点について詳しく解説しますね。

必要なソフトウェアと推奨スペック

Blenderでテクスチャペイントを始めるには、まずBlender本体(最新版4.3以降推奨)のインストールが必要です。

テクスチャペイントは標準機能として搭載されているため、4.3以降をダウンロードした場合には追加のプラグインは必要ありません。

また、推奨されるパソコンのスペックは次の通りです。

  • OS:Windows 10/11、macOS 10.15以降、Linux
  • CPU:64ビットのマルチコアプロセッサー
  • メモリ:16GB以上(8GB最低)
  • グラフィックス:OpenGL 4.3対応のGPU、4GB以上のVRAM
  • ストレージ:SSD推奨(作業データ用に10GB以上の空き容量)

テクスチャペイントでは高解像度のテクスチャを扱うため、十分なメモリと処理能力が必要です。

特にグラフィックスカードの性能が重要で、リアルタイムのプレビューをスムーズに行うためにはある程度のスペックが求められます。

必要な道具

テクスチャペイントを始めるための基本的な道具は、マウスとキーボードだけです。

しかし、作業効率や精度を高めるために、以下の道具を用意することがおすすめです。

必須度が高い道具

  • ペンタブレット(Wacom等):筆圧検知による繊細な描き込みができる
  • テンキー付きキーボード:視点操作のショートカットに重要
  • 3ボタン以上のマウス:中ボタンによる視点操作が快適になる
  • ショートカットキーパッド:ショートカットキーを登録して効率化できる
  • 大画面モニター:作業スペースが確保できる
  • タッチパッド:直感的な操作におすすめ

優先度の高い順に取り上げたので、予算が限られている方は、上から順に購入していくことをおすすめします。

Blenderでテクスチャペイントをする具体的な手順

続いて、Blenderでテクスチャペイントをする際の具体的な手順を紹介します。

  • モデルのUV展開を行う
  • マテリアル設定とイメージテクスチャを作成する
  • 筆圧やブラシを設定しペイントする

Blenderのテクスチャペイントに挑戦したことがない方は、ぜひ参考にしてみてください。

モデルのUV展開を行う

テクスチャペイントを始める前に、3Dモデルを2D平面に展開するUV展開が必要です。以下の手順で効率的にUV展開を行えます。

  • 編集モードに切り替え(Tabキー)
  • 全てのメッシュを選択(Aキー)
  • UV → スマートUV展開を選択(U キー)
  • マージン(余白)を0.02程度に設定
  • UVエディターで展開結果を確認

また、テクスチャの重要度が高い部分(キャラクターの顔など)は、UV空間を広めに確保するのがコツです。逆に見えにくい部分は小さめに設定することで、効率的なUV配置が実現できます。

これにより、テクスチャペイント時により細かい描き込みが可能になります。

UV展開の方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

参照:【2024】BlenderのUV展開とは?やり方・手順・知っておくべきポイント

マテリアル設定とイメージテクスチャを作成する

テクスチャペイントを始める前に、適切なマテリアルとイメージテクスチャの設定が必要です。以下の手順で効果的に準備できます。

まず、マテリアル設定の手順は次の通りです。

  • マテリアルタブで新規マテリアルを作成
  • ベースカラーに新規イメージテクスチャを追加
  • テクスチャ解像度を設定(2048×2048推奨)
  • カラースペースをsRGBに設定

続いて、イメージテクスチャの作成を行いましょう。

  • イメージテクスチャを新規作成
  • 「Base Color」として設定
  • アルファチャンネルを有効化
  • UV設定を先ほど作成したUVマップに指定

マテリアル設定とイメージテクスチャを作成する

テクスチャの解像度は作業目的に応じて適切に設定しましょう。キャラクターの場合は2048×2048が標準です。

また、後から解像度を上げることは画質の劣化を招くため、最初から必要な解像度で作成することをおすすめします。

筆圧やブラシを設定しペイントする

テクスチャペイントモードでは、様々なブラシ設定とペイント方法を活用できます。ペイントを行う際は、以下のような設定をすると直感的に操作ができます。

  • ブラシサイズ:50px(開始値の目安)
  • 筆圧強度:0.5(標準値)
  • ブレンド:Mix(通常のペイント)
  • 色の設定:カラーパレットから選択

筆圧やブラシを設定しペイントする

最初は大きめのブラシで基本的な色を塗り、徐々にブラシサイズを小さくして細部を描き込んでいくイメージです。

レイヤー機能を活用すると、修正や調整が容易になります。

また、Fキーでブラシサイズ、Shift+Fで筆圧をその場で調整できることを覚えておくと作業効率が大幅に向上します。

Blenderで効果的なテクスチャを作成するためのコツ

ここまでの方法を用いれば、Blenderでテクスチャペイントを行うことが可能です。

しかし、より繊細なモデルを制作しなければならない場合や、効率的に作業を進めなければならない場合もあります。

ここでは、Blenderで効率的にテクスチャを作成するためのコツを3つ紹介します。

  • レイヤー機能とマスクを活用する
  • シームレスにするためにUV展開のスケールを1にする
  • マテリアルプロパティも適切に活用する

それぞれ詳しく解説します。

レイヤー機能とマスクを活用する

Blenderのテクスチャペイントでは、レイヤー機能とマスクを組み合わせることで、効率的な作業が可能になります。

レイヤーを使用することで、ベースとなる色や質感、傷や汚れなどの細部、さらにはハイライトや陰影といった効果を別々に管理できます。

たとえば、キャラクターの肌のテクスチャを作成する場合、基本的な肌色を下層に、そばかすや傷跡を中間層に、光沢を上層に配置することで、それぞれの要素を独立して編集できます。

また、マスク機能は、特定の領域だけにペイントを制限する際に非常に便利です。たとえば、選択マスクを利用すれば、服のしわの部分だけに影を付けるといった細かい作業も実現可能です。

これらの機能を組み合わせることで、修正や調整が容易になり、チームで制作を行う場合にもより効率的に作業を進められるモデラ―になれます。

シームレスにするためにUV展開のスケールを1にする

シームレスなテクスチャを作成するには、UV展開のスケールを正確に1に設定することが重要です。

スケールが1でないと、テクスチャを繰り返し使用した際に継ぎ目が目立ってしまうからです。

UV展開時には、まずUVエディターでアイランドを選択し、「N」キーでプロパティパネルを開きます。そこでアイランドのスケールを確認し、必要に応じて調整します。

スケール値が1から大きくずれている場合は、選択したアイランドを「S」キーでスケーリングし、数値入力で1に設定しましょう。

マテリアルプロパティも適切に活用する

テクスチャペイントで作成した質感をより魅力的に見せるには、マテリアルプロパティの適切な設定が重要です。

基本的なベースカラーの設定だけでなく、ラフネス(粗さ)やメタリック(金属度)、ノーマルマップなどの設定を組み合わせることで、よりリアルな表現が可能になります。

たとえば、革製品のテクスチャを作成する場合、ベースカラーでテクスチャを描いた後、ラフネス値を0.7程度に設定すると、適度な艶消し感が表現可能です。

マテリアルプロパティも適切に活用する

また、布地の質感を表現する際は、ノーマルマップを活用して凹凸を付け加え、ラフネスを高めに設定することで、よりリアルな質感を実現できます。 これらのプロパティを効果的に組み合わせることで、テクスチャペイントの表現力が大きく向上し、求めている質感をモデルに取り入れやすくなります。

Blenderのテクスチャペイントでよくあるトラブルと対処法

最後に、よくあるトラブルを解消する対処法を紹介します。

  • UV展開で不具合が発生する
  • 塗りムラが発生する
  • 解像度不足が目立つ

UV展開で不具合が発生する

UV展開の不具合は、シームの配置とスマートUV展開の設定を見直すことで解決できます。 よくあるUV展開の不具合として、アイランドの重なりや不自然な歪みが挙げられます。これらは主にシームの設定が不適切な場合に発生します。

例えば、キャラクターの腕のUVを展開する際、シームを内側に設定せずに外側に配置すると、テクスチャの歪みが目立ってしまいます。 この問題の解決方法は次の通りです。

  • 自然なパーティングラインでシームを再配置
  • スマートUV展開のアングルリミットを45度程度に設定し、マージン値を0.02程度に調整する
  • UVエディターで重なりをチェックする

モデルを制作しながら、定期的にバージョンを保存し、見直しを行うことで問題が発生する前の状態に戻りやすくなり安心です。

塗りムラが発生する

テクスチャペイントで塗りムラが発生する主な原因は、ブラシの強度設定が高すぎるか、筆圧の変化が大きすぎることにあります。

たとえば、キャラクターの肌を塗る際に、筆圧が100%で強度も1.0に設定していると、どうしても不自然なムラが発生してしまいます。

解決するには、まずブラシ強度を0.3〜0.5程度に下げ、筆圧感度も50%程度に抑えましょう。さらに、レイヤー機能を活用して下地を別レイヤーで作成し、その上から少しずつ色を重ねていくことで、自然な仕上がりを実現できます。

また、ブレンドモードを「Mix」から「Soft Light」に変更すると、より滑らかな塗り込みが可能になり、塗りムラが発生することを防げます。

塗りムラが発生する

解像度不足が目立つ

解像度不足は特に細かいディテールを描き込む際に問題となります。

たとえば、キャラクターの顔のテクスチャを1024×1024ピクセルで作成すると、目や口の周りの細かい表現が難しくなります。 これを改善するには、まず新規テクスチャ作成時に2048×2048以上の解像度を設定しましょう。

ただし、必要以上に高解像度にすると処理が重くなるため、用途に応じて適切な値を選ぶことが重要です。

また、UVレイアウトで重要な部分により多くの面積を割り当てることで、限られた解像度でも効果的なディテール表現が可能になります。

特に顔や手など、細部の表現が重要な部分は、UV展開時により大きなスペースを確保することをおすすめします。

テクスチャペイント後のモデルをレンダリングにはRender Poolがおすすめ

RenderPool

テクスチャペイントを施した3Dモデルのレンダリングには、クラウドレンダリングサービスのRender Poolがおすすめです。

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初めての方でも、Render Poolはファイルをアップロードするだけで簡単に利用開始でき、30,200ポイント($20分)の無料トライアルも提供されています。

Render Poolを活用してテクスチャペイントで重くなったモデルのレンダリングを効率化しましょう。

まとめ

この記事では、Blenderのテクスチャペイント機能の基本から応用まで解説してきました。テクスチャペイントは、3Dモデルに直接絵を描ける便利な機能で、適切な環境設定とツールの準備があれば、初心者でも扱いやすいツールです。

UV展開、マテリアル設定、レイヤー機能の活用など、効率的な作業のためのコツを押さえることで、より魅力的な3Dモデルを制作できます。

テクスチャペイントの基本を理解し、実践を重ねることで、よりクオリティの高い3D作品制作が可能になるでしょう。

また、テクスチャペイントでクオリティの高いモデルを制作した後は、モデルの容量が重くなってしまいますので、ぜひ、Render Poolを活用して効率的に作業を進めてみてください。