【2025】Blenderでのキャラクターモデリング方法は?制作手順とコツをわかりやすく解説


by Render Pool

1月 21, 2025

「Blenderでキャラクターを作ってみたいけど、難しそう」 「3DCGの基本的な知識もないのに、うまくできるかな?」そういった疑問を抱えていませんか?今回は、Blenderがキャラクターモデリングに向いている理由やキャラクターモデリングの具体的な手順、よくある課題と解決方法、作業効率を上げるためのコツなどについて解説します。

この記事を最後まで読むことで、Blenderでのキャラクターモデリングの基礎から応用まで体系的に理解できます。豊富な標準機能と充実したコミュニティを活用して、自分の理想のキャラクターを作り出すことができます。ぜひ参考にしてみてください。

Blenderがキャラクターモデリングに向いている理由

Blenderがキャラクターのモデリングに向いている理由は2つあります。

  • 標準機能が充実しているから
  • 大規模なコミュニティがあり学習リソースが豊富

それぞれ詳しく解説します。

標準機能が充実しているから

キャラクターモデリングにBlenderが最適な理由の1つは、豊富な標準機能が無料で使えることです。

3DCGソフトの中には高額な追加プラグインが必要なものもあります。しかしBlenderは、スカルプティング機能やリギング機能、テクスチャペイントなど、キャラクター制作に必要な機能が標準で搭載されています。

たとえば、キャラクターの表情を作る際には、シェイプキーという機能を使って簡単に口の開閉や目の動きを設定できます。

また、キャラクターの髪の毛やしわを作る際には、スカルプトモードで粘土をこねるように自由な造形が可能です。

これらの機能が最初から使えるため、アイデアをすぐに形にできる環境が整っているのです。

大規模なコミュニティがあり学習リソースが豊富

世界中で愛用されているBlenderには、膨大な学習リソースとサポートコミュニティが存在します。

モデリングでつまずいた時、同じような課題を経験した先輩クリエイターの解決策を素早く見つけることができます。

YouTubeやTwitterには毎日のように新しいチュートリアルが投稿され、海外の質の高い動画も日本語字幕付きで視聴できます。

たとえば、キャラクターの目の作り方に悩んだ時、BlenderコミュニティのDiscordやフォーラムで質問すれば、経験豊富なユーザーから具体的なアドバイスをもらえます。

また、数多くの無料チュートリアルやアドオンを活用することで、プロレベルの技術を効率的に学べるでしょう。

この充実したコミュニティと学習環境が、初心者でも安心してキャラクターモデリングを始められる理由となっています。

Blenderでキャラクターのモデリングを行う手順

Blenderでキャラクターのモデリングを行う手順は以下の通りです。

  • コンセプトアートやデザインを準備する
  • ベースメッシュを作成する
  • スカルプトモードで詳細を調整する
  • リトポロジー(Retopology)を実施する
  • UV展開を行う
  • リギング(Rigging)とアニメーションを設定する

それぞれ詳しく解説します。

コンセプトアートやデザインを準備する

キャラクターモデリングを始める前に、まずは詳細な設計図となるコンセプトアートを用意しましょう。

3面図(正面・横・背面)があれば、正確な図形のモデリングを進められます。

紙・デジタルどちらでも問題ないので、やりやすい方法でモデルの下絵を書きましょう。

その後、Blenderの背景画像として3面図を配置し、正確なモデリングを開始できます。綿密な準備を行うことで、無駄な工数を増やさずに効率的に制作が可能です。

ベースメッシュを作成する

キャラクターの基礎となるベースメッシュは、シンプルな形状から始めるのが効果的です。

まずは平面を2分割して左右対称にし、ミラーモディファイアを適用します。そこから頭部、胴体、腕、脚の大まかなシルエットを作っていきます。

ベースメッシュを作成する

キャラクターは左右対称であることが多いため、ミラーモディファイアを活用したほうが効率的に作業を進められます。

次に、関節部分に適切な数のエッジを配置し、表情の変化を考慮して顔のエッジを追加しましょう。体の曲線に沿ってエッジループを設定することで、自然な変形が可能な構造を作ります。

最後に四角形ポリゴンを基本とした配置を心がけ、変形しやすい位置にエッジを通していきます。

不要な頂点は削除してクリーンな状態に整えましょう。この段階では細かいディテールにこだわらず、全体のバランスを整えることが大切です。

スカルプトモードで詳細を調整する

ベースメッシュが完成したら、スカルプトモードでキャラクターの細部を造り込んでいきます。

まずはマルチレゾリューションモディファイアを追加し、メッシュの解像度を上げることで、より細かな造形が可能です。

粘土をこねるような感覚で、筋肉の起伏や皮膚のしわ、髪の毛の流れなどを自然に表現できます。

スカルプトモードで詳細を調整する

たとえば、顔のパーツを作る際は、インフレートブラシで目や鼻の周りを浮き上がらせ、クリースブラシで特徴的なラインを刻んでいきます。

スムーズブラシを使って表面を整えながら、グラブブラシで大きな形状に調整することで、キャラクターに生命感のある表情を与えることが可能です。

このように、スカルプトモードでは直感的な操作で造形を進められるため、自身の求めているクオリティのモデルを生み出しやすくなるはずです。

リトポロジー(Retopology)を実施する

スカルプトで細部を作り込んだ後は、メッシュを最適化するリトポロジー作業が必要です。これは高解像度のスカルプトデータの上に、新しい低解像度のメッシュを作り直す工程です。

まずはシュリンクラップモディファイアを使用して、新しいメッシュをスカルプトの表面に密着させます。 筋肉の流れや関節の動きを考慮しながら、四角形ポリゴンを基本とした新しいメッシュを作成していきます。

リトポロジー(Retopology)を実施する

特に表情の変化が必要な顔周りは、適切なエッジフローを意識することが重要です。このリトポロジー作業を行うことにより、アニメーション時の自然な変形が可能になり、さらにテクスチャの歪みも防ぐことができます。

UV展開を行う

リトポロジーを行った後に、UV展開を行います。

UV展開とは、立体のモデルを展開して平面にすることです。

まず、モデルの各パーツに「Control+E」でシームを設定します。シームは服の縫い目のように、目立ちにくい位置に配置するのがポイントです。

UV展開を行う

頭部であれば髪の生え際や耳の後ろ、体であれば脇の下や背中の中心線などが適しています。 展開されたUVは、スペースを無駄なく使いながら、テクスチャの解像度が重要な部分により多くの面積を割り当てます。

リギング(Rigging)とアニメーションを設定する

完成したモデルを動かすために、骨格となるアーマチュア(ボーン)を設定します。まず人体の骨格構造を意識しながら、各関節にボーンを配置していきます。

腕や脚のボーンはIK(インバースキネマティクス)を設定することで、より直感的な操作が可能になります。 次に、ボーンとメッシュを結びつけるウェイトペイント作業を行います。例えば腕を曲げたとき、肘の部分が自然に変形するよう、メッシュの各頂点にボーンの影響度を設定します。

ボーンの設定方法については、こちらの記事をご確認ください。

また、表情のアニメーションのためにシェイプキーを作成し、口の開閉や目の瞬きなどの細かな動きも設定できます。

Blenderのキャラクターモデリングにおけるよくある課題

ここまで、Blenderのモデリングの方法を紹介してきましたが、操作を行っていると「あれ、これ全然うまくいかないな。」と感じるケースが出てくるかもしれません。

ここでは、トラブルを未然に解消するために、キャラクターモデリングにおけるよくある課題の解消法を3つ紹介します。

  • BlenderのUIと操作に慣れる
  • ポリゴン数を増やしすぎない
  • リギングやウェイトペイントの設定ミスがないようにする

それぞれ詳しく解説します。

BlenderのUIと操作に慣れる

Blenderの最初の壁は、独特のUIと操作方法の難しさでしょう。特に、以下のような操作はほかのツールではあまり使用しないため、難易度が高いと感じる方もいます。

基本的なビュー操作

  • 視点回転:中マウスボタン
  • 視点移動:中マウスボタン + Shift
  • ズーム:マウスホイール
  • 視点を選択物に合わせる:ピリオドキー(.)

オブジェクトの操作

  • 移動:Gキー
  • 回転:Rキー
  • スケール変更:Sキー
  • 削除:Xキー
  • 取り消し:Ctrl + Z
  • やり直し:Ctrl + Shift + Z

まずはこれらの操作方法を理解し、効率的に作業を進めましょう。

ポリゴン数を増やしすぎない

初心者がよく陥る課題の1つが、ポリゴン数の管理です。高解像度のモデルを作ることに気を取られ、不必要にポリゴン数が増えてしまうことがあります。

ゲームキャラクターの場合、一般的な目安として1万〜5万ポリゴン程度に収めることが望ましいでしょう。

効率的にポリゴンを分配する際には以下のようなポイントを意識しましょう。

  • 視認性の高い部分(顔や手など)に多めのポリゴンを割り当てる
  • 変形が少ない部分(胴体や足など)は比較的少なめに設定
  • 服のしわや装飾は、可能な限りノーマルマップで表現
  • 細かいディテールはテクスチャで補完

このようにポリゴンを管理することで 、見た目の品質を保ちながら、軽量で扱いやすいモデルを作ることができます。

リギングやウェイトペイントの設定ミスがないようにする

キャラクターの動きの品質を左右するリギングとウェイトペイントでは、細心の注意が必要です。

リギングにおいては、まずボーンの階層構造が正しく設定されているかを確認します。各ボーンの回転ポイントが適切な位置にあることも重要で、特に関節部分の配置には気を付けましょう。

また、IKチェーンが意図した動作をするか、左右の肢体が対称的に動くかも、アニメーションの自然さに大きく影響します。 ウェイトペイントでは、関節部分の変形が自然になるよう、頂点への影響度を慎重に設定します。特に重なり合う頂点では、複数のボーンからの影響をバランスよく調整することが重要です。

作業効率を上げるためのコツ

Blenderのキャラクターモデリングで、作業効率を上げるためには以下のコツを意識することが重要です。

  • ショートカットキーを活用する
  • アドオンを導入する
  • バージョン管理を徹底する

それぞれ詳しく解説します。

ショートカットキーを活用する

Blenderでの作業効率を大幅に向上させる鍵は、ショートカットキーの活用です。最初は覚えることに時間がかかりますが、頻繁に使う操作から少しずつ習得していくことで、作業時間を大きく短縮できます。

例えば、モデリング中に最も使用する移動(G)、回転(R)、拡大縮小(S)の3つのショートカットだけでも、マウス操作と比べて作業速度が2倍以上になります。 さらに、押し出し(E)、ループカット(Ctrl+R)、面の削除(X)など、モデリングに特化したショートカットを覚えることで、メニューを開く手間が省け、創造的な作業に集中できます。

これらのショートカットは、キーを押した後に軸の指定(X,Y,Z)や数値入力と組み合わせることで、より正確な操作が可能になります。日々の作業の中で少しずつショートカットを増やしていくことで、自然と高速で正確なモデリングが実現できるようになります。

アドオンを導入する

Blenderの機能を拡張し、作業効率を大幅に向上させるのがアドオンです。特にキャラクターモデリングでは、HardOpsやBoxCutterなどの人気アドオンを活用することで、複雑な形状も素早く作成できます。

また、Auto Mirrorを使えば左右対称なモデリングが簡単になり、作業時間を大きく削減可能です。 モデリング以外でも、UV展開作業を効率化するUVPackmasterや、リギングを支援するRigifyなど、各工程に特化したアドオンが存在します。

ただし、アドオンに頼りすぎると基本的な操作が疎かになる危険性もあるため、まずは基本機能をしっかり習得してから、必要に応じて導入することをおすすめします。

アドオンは便利な道具であり、基本スキルを補完するものとして活用すると、より効果的な作業が可能になります。

アドオンについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

バージョン管理を徹底する

作品制作の安全性と効率を高めるには、適切なバージョン管理が不可欠です。作業の節目ごとに異なるファイル名で保存することで、必要に応じて過去の状態に戻れるようになります。

例えば、「キャラクター名_v001_ベースメッシュ」「キャラクター名_v002_スカルプト後」のように、作業工程がわかる名前を付けて保存します。 重要な作業の前には必ずバックアップを取っておくことも大切です。

アドオンを導入する

リトポロジーやリギングなど、大きな変更を加える際は特に重要です。また、Blenderの自動保存機能を有効にし、保存間隔を適切に設定することで、予期せぬクラッシュからも作業を守ることができます。

Blenderのレンダリングは「Render Pool」がおすすめ

RenderPool

Blenderでのレンダリング作業を効率化したいなら、Render Poolを活用するのがおすすめです。大量のデータを扱う3DCG制作では、レンダリングにかかる時間が大きな課題となります。しかし、Render Poolを利用すれば、クラウドベースの分散レンダリングで時間を大幅に短縮できます。

Render Poolは、次のような点でBlenderユーザーにおすすめです。

  1. 1,000台以上のサーバーで効率的に処理できる
  2. 1分3円でコストを抑えながらレンダリングを行える
  3. 直感的で簡単に操作ができる

また、Render Poolは複数のレンダリングジョブを同時に処理する機能があり、大規模なプロジェクトでも効率よく作業を進められます。

時間と手間を削減したい方はぜひ、Render Poolを活用してみてください。

まとめ

Blenderのキャラクターモデリングについて解説してきました。キャラクターモデリングを行うためには、様々な壁がありますが、この記事で紹介してきた手順でモデリングを行えば、自分の好きなモデルを制作できます。

最初から完璧を求めすぎると、躓いてしまうため、まずは小さな目標を設定し、シンプルなモデルから徐々にスキルを積み重ねていくことが大切です。