【2024】クラウドレンダリングとは?レンダリング高速化方法と&おすすめ会社3選
クラウドレンダリングは、クラウド上にファイルをアップロードすることでレンダリングができるサービスです。
近年、音楽聴き放題などのクラウドサービスが増えていますが、同様にレンダリングもクラウド上で利用できるようになりました。
とはいえ、「クラウドレンダリングってどのような仕組みなの?」「クラウドレンダリングを行うメリットって?」と疑問を持たれる方も少なくないでしょう。
今回は、クラウドレンダリングの概要について紹介するとともに、レンダリングを高速化する方法やクラウドレンダリングのメリットについて詳しく解説します。
レンダリングにかかる時間を短縮したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
クラウドレンダリングの概要
まずは、クラウドレンダリングの意味について解説します。
クラウドレンダリングは「クラウド」と「レンダリング」が合わさった用語です。
それぞれの言葉の意味についてお伝えしましょう。
クラウドとは
そもそも、「クラウド」とは何なのでしょうか?
クラウドは直訳すると、「雲」という意味です。
この元々の意味から、現在では「雲のように浮かんでいるインターネット上のサービスや形態」を「クラウド」と呼びます。
つまり、パソコンなどにソフトウェアとしてインストールしなくても、Google ChromeやSafariといったインターネットブラウザ上で動作するアプリなどが「クラウド型のサービス」です。
最近では、クラウドは多くのサービスで採用されています。
たとえば、クラウド型の音楽サービスがあります。
- Appleミュージック
- Amazonミュージック
- LINEミュージック
- Spotify
などがあります。「サブスクリプション(略してサブスク)」と呼ばれています。
これらのサービスは、CDを購入しなくてもブラウザを通してインターネットの向こう側のサービスを利用することができます。
また、インターネットに接続してさえあれば、音源をダウンロードする必要もありません。
ビジネスでは、クラウド型の「グループウェア」が使用されています。
グループウェアとしては、
- Microsoft社の「Microsoft Office365」
- 日本のIT企業であるサイボウズ社の「サイボウズ Office」
が有名です。
複数のスタッフが、業務のファイルなどを1ヶ所のクラウド型サービス(グループウェア)に保存し共有することができます。
オフィスアプリを共有することもできますし、メールやスケジュール帳を共同で利用することも可能です。
コロナウィルスの影響でビジネスのリモートワーク(テレワーク・在宅勤務)化が進んでいますが、クラウド型のグループウェアを使用するとオンラインで会議を行うこともできます。
レンダリングとは
続いて、「レンダリング」とは何でしょうか?
レンダリングとは、3DCGや映像編集、DTM(Desk Top Music)などのPCやコンピューター作業においてイメージを処理することを意味します。
3DCGでは、モデリングで作成したイメージに光の当て具合を加工したり、色を追加したりすることをレンダリングと呼びます。
映像制作では、映画やドラマ、テレビ映像の元動画にテロップを付けたり、音を追加したりしたものを、一つのファイルとして書き出すことをレンダリングと呼びます。
DTM業務では、元となるギターやキーボードの音源にドラム音やシンセサイザー音、効果音を付け足したものを一つのファイルにまとめて書き出すことをレンダリング(または「ミックスダウン」「バウンス」)と呼びます。
クラウドレンダリングとは
それでは、最終的に「クラウドレンダリング」とは何なのでしょうか?
- クラウド:「インターネット上で動作するサービス」
- レンダリング:「3DCGなどのイメージをコンピューターで処理すること」
をそれぞれ意味します。
そのため、クラウドレンダリングは「インターネットブラウザを通して利用できるレンダリングサービス」のことです。
3DCGなどのレンダリングを、個人用PCで行うのではなく、インターネットの向こう側のコンピュータ(サーバー)で処理することを意味します。
クラウドレンダリングを利用するメリット
クラウドレンダリングは、通常のGPUレンダリングと比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、クラウドレンダリングを利用するメリットについて3つ解説します。
高性能サーバーでレンダリングを効率化できる
1つ目のメリットは、高性能のサーバーで作業効率化が図れることです。
通常のCPU・GPUレンダリングを行う場合、コンピューターに搭載されているCPU・GPUのみを使用してレンダリングを行います。
昨今のコンピューターは、従来のものよりも高い性能を発揮しますが、とはいえ1台ではスペックに限度があるでしょう。
一方、クラウドレンダリングの場合は数千ものサーバーを利用し、レンダリングが行えます。
仮に1,000台のサーバーでレンダリングする場合は1,000台分の処理能力を誇るため、処理速度は1台のものと比べ物にならないでしょう。
また、業務用のサーバーを使用しているため、一般用のコンピューターよりもはるかに高い性能を持ちます。
レンダリング中にも作業ができる
2つ目のメリットは、レンダリング中に他の作業ができることです。
通常、CPU・GPUレンダリングの場合はパソコンのスペックをフルで活用するため、同時並行で映像編集やモデル修正を行うことは難しいです。
したがって、レンダリング作業が終わるまでパソコンを放置しておく必要があります。
しかし、クラウドレンダリングはパソコンの処理能力を使わずにクラウドベースでレンダリングを行えます。
そのため、レンダリング中に他の作業を行うことが可能です。
パソコンのスペックに依存しない
3つ目のメリットは、パソコンのスペックに依存しないことです。
クラウドレンダリングはクラウド上で無数のサーバーとつながっており、レンダリングを実行した時点で処理方法が自身のパソコンからサーバーに切り替わります。
そのため、極端な話レンダリングをするとダウンしてしまうcore i3程度しかないパソコンでもレンダリング作業を行えます。
ちなみに、Googleドライブなどのサービスでファイルを共有しておけば、iPadなどの端末を使って外出先でレンダリングを行うことも可能です。
レンダリングを高速化する方法
レンダリングの処理を高速化するには、2つの方法が考えられます。
1つは、手持ちのPCを改造したり買い替えたりする方法です。
もう1つは、クラウドレンダリングのサービスを利用する方法です。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきましょう。
方法①:PCを改造する
まず、レンダリングを高速化する方法として、PCを改造したり買い替えたりする方法のメリット、デメリットを考えてみましょう。
メリット
まずメリットには、次の5つが考えられます。
- 一度改造してしまえばしばらくコストがかからない
- PCやサーバーが好きな人にとっては作業がおもしろい
- 新しいPCパーツなどが販売されれば臨機応変に対応できる
- PCを買い換えてしまえば最新のものにアップグレードできる
- PCやコンピューターに関しての知識に詳しくなる
デメリット
逆に、デメリットとしては次の4つがあります。
- PCやサーバーに慣れていない場合はハードルが高い
- 最新で最上位のPCなどを揃えると数十万円から数百万円かかることがある
- レンダリングスピードに問題があるたびにパーツなどを変える必要が出てくるため業務のスピードに支障が出る
- 本当にレンダリングを高速化しようとするとサーバーを何台も用意する必要がある
方法②:クラウドレンダリングを利用する
次に、レンダリングを高速化するためにクラウドレンダリングを利用するメリット、デメリットをお伝えしましょう。
メリット
メリットとしては、次の5つが考えられます。
- PCやサーバーなどを無理にアップグレードする必要がない
- 今のままのPCでもクラウドでレンダリングを行えばかなり高速化できることが多い
- PCやサーバーを買い替えなくても高速化ができる
- PCやコンピューターの知識に自信がなくてもレンダリング用のファイルをクラウドサービスにアップロードすると利用できる
- クラウドサービスでレンダリングしている間にPCで違う作業ができる
デメリット
逆にデメリットとしては、次の4つがあります。
- 月々の利用料がかかる
- PCやサーバーの知識が増えにくい
- PCなどの買い替え時期を逃すこともある
- 最新・最上位のPCでなくても処理できることが多いため最新のガジェットが好きな方にはマイナスになる
レンダリング高速化の方法①:PC改造
それでは、レンダリングを高速化するためのPC改造を具体的にお伝えしていきましょう。
次の4つのパーツを改造することが可能です。
- CPU
- メモリ
- GPU
- SSD
PC改造①:CPU
レンダリングのスピードアップで特に重要なのが、CPUとメモリ、GPUです。
CPUは、PCの「メインの頭脳」のようなパーツです。
インテル社の「Core i」シリーズが有名で、最新のCPUだと「Core i9」シリーズが販売されています。
また、AMD社の「Ryzen」シリーズも最近ユーザーからの評価が高いためおすすめです。
PC改造②:メモリ
PCの高速化で次に重要なのが、メモリです。
CPUがメインの頭脳だとするとメモリは「サブの頭脳」であるといえます。
メモリも型が新しく、容量が多いほど有利です。
プロとしてレンダリングを行う場合は、64GBほどはあった方が良いでしょう。
ギリギリの容量で16GBほどです。
PC改造③:GPU
レンダリングの高速化では、GPUも大切です。
GPUとは、「ビデオカード」「グラフィックカード」と呼ばれるパーツで、映像を専門に処理します。
3DCGのレンダリングでは、CPUレンダリングが今までメインでしたが、GPUの価格が下がってきたことによりGPUレンダリングも増えてきています。
GPUでは、NVIDIA社の「Quadro」と「GeForce」が有名です。
Quadroは、業務用に最適化されたGPUで、GeForceはゲームなどの個人向けのGPUです。
ただ、シリーズによりますがGeForceの性能も高いためレンダリングに利用することも可能です。
また、AMD社の「Radeon」も最近人気があります。
PC改造④:SSD
レンダリング高速化のためのPC改造で、一番最後におすすめするパーツはSSDです。
SSDとは、メモリと同じ様な構造を採用したドライブです。
今まで主流であったHDD(ハードディスクドライブ))の代わりとなります。
HDDに比べて大幅にデータ転送速度がスピードアップしたため、レンダリングを含めてPC全体の速度改善に役立ちます。
レンダリング高速化の方法②:クラウドレンダリングの利用
それでは、ここからはレンダリング高速化のためにクラウドレンダリングを利用するパターンをお伝えします。
クラウドレンダリングは、提供されているサービスを選ぶ必要があります。
ここでは、3社をご案内します。
クラウド①:Googleクラウドプラットフォーム(ZYNC)
Googleクラウドプラットフォームは、言わずと知れたGoogle社が提供するクラウドレンダリングです。
Googleは、アルファベットと言う企業グループのIT関連会社です。
ZYNCというレンダリングの企業をGoogleが買収し現在のサービスが提供されています。
NVIDIA社のGPUが採用されています。
クラウド②:Azure Batch Rendering
Azure Batch Renderingは、日本でも世界でも有名なMicrosoft社が運営するクラウドレンダリングです。
大手企業も利用しており、Mayaなどの3DCGソフトに対応しています。
クラウドレンダリングならRender Poolがおすすめ
クラウドレンダリングを行えるサービスを探しているなら、当社モルゲンロットが提供している「Render Pool(レンダープール)」がおすすめです。
ここでは、Render Pool をおすすめする理由を3つ紹介します。
1,000台以上のサーバーで高速レンダリング
Render Poolには1,000台以上の高性能サーバーが用意されており、それぞれに複数のGPUを搭載した自立分散処理アルゴリズム「Excalibur」を搭載しています。
したがって、1,000フレームを超えるような巨大なデータもレンダリング可能です。
また、モルゲンロットが保有するExcaliburの半数以上である約1,500台が日本国内で運用されています。
そのため、トラブルが発生した際にもスムーズに対応できることが特徴です。
実際に、過去の事例ではレンダリングに292時間かかるはずのデータを、Render Poolでは約15時間に短縮できた事例もあります。
このように、レンダリングにかかる時間を大幅に短縮できる点は、Render Poolの大きな強みでしょう。
初心者でもわかりやすい日本語UI
クラウドレンダリングサービスは、日本ではあまり普及しておらず、多くのクラウドレンダリングサービスは日本語に対応していません。
操作の習得に時間がかかってしまい、それだけで大きなストレスを感じてしまう方も少なくないでしょう。
しかし、Render Poolは日本に拠点を置くサービスであり、UIが日本語に完全対応しています。
そのため、日本人であれば誰もが簡単に利用し始められます。
1分3円の低コスト
Render Poolは1分3円からの低コストで利用できます。
また、ポイントを使用してレンダリングするデポジット式となっており、レンダリングにかかる時間が延びてしまっても、追加料金は発生しません。
ちなみに、ポイントは次の料金で利用できるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 4,500mrp:3USD
- 16,600mrp:11USD
- 50,000mrp:33USD
また、レンダリングにかかる費用を通常よりも約20%お得に利用できる定期購入プランも用意されています。
まとめ
クラウドレンダリングの概要について紹介するとともに、レンダリングを高速化する方法やクラウドレンダリングのメリットについて詳しく解説しました。
クラウドレンダリングはレンダリングにかかる時間を短縮したい方におすすめです。
多少の費用はかかりますが、時間を有効活用できることを考えると、シーンによってはメリットを得られることもあるでしょう。
今回お伝えした内容を参考に、Render Poolの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
今ならデモクレジットがつくため、無料でRender Poolの操作性・機能性を判断できます。