【2022】レンダリングとは何?映像・3DCG・DTM・Webとの関係性


by Render Pool

3月 22, 2020

3DCG制作において、「レンダリング」ということばを耳にすることが多いでしょう。

しかし、レンダリングに関して詳しく理解していない方も多いのではないでしょうか?

今回は、レンダリングの概要や主な種類などについて詳しく解説します。

レンダリングについて詳細まで理解していない方は、ぜひ参考にしてみてください。

レンダリングとは?

レンダリングは、コンピュータが認識できる数字や文字の羅列を、人間が認識できるような状態に変更する行為のことを指します。

レンダリングの仕組み

たとえば、WebサイトのHTMLファイルは、人間が見たときにはただの数字の羅列にすぎません。

しかし、プレビューを実行してみると、ユーザーが視覚的に画像として認識できる状態になります。

これもレンダリングの1種です。

つまり、レンダリングはコンピュータが認識できる言語を人間が理解できるように翻訳するような作業だと考えればわかりやすいでしょう。

レンダリングの業界別の意味

レンダリングは、さまざまな業界で使われる単語です。

また、それぞれの業界によってレンダリングの意味合いは若干異なるため、業界に合わせて「レンダリング」という単語を理解する必要があります。

  • 映像業界のレンダリング
  • DTM業界のレンダリング
  • Web業界のレンダリング
  • 3DCG業界のレンダリング

ここでは、4つの業界別に分けて、レンダリングの意味を詳しく紹介していきます。

映像業界のレンダリング

映像業界において、レンダリングとは映像に使用した素材やBGM、テロップ画像、CGエフェクトやなどを1つのファイルに処理することを指します。

レンダリングを行う前の動画は、圧倒的にデータ量が重い状態となっています。

つまり、レンダリングを行わなければ、常に膨大な量のデータを流し続ける必要があるでしょう。

膨大なデータを圧縮し、再生可能な状態にすることが映像業界においてレンダリングが実行される理由です。

DTM業界のレンダリング

DTM(Desk Top Music)の現場でもレンダリングということばが飛び交います。

特に、DTMにおいてレンダリングを行うことを専門的には「バウンス」「ミックス」と呼びます。

DTMにおいては、MIDIと呼ばれるコンピュータが認識できる音楽データを使用することが多いです。

そのMIDIデータを人間が視聴可能な状態に変換する際、レンダリングが実行されています。

Web業界のレンダリング

Web業界におけるレンダリング作業は、HTMLファイルを人間が認識できる状態に変更することを意味します。

マークアップ言語であるHTMLに加え、デザインを調整するCSSを組み合わせて、普段閲覧しているWebページが完成しています。

実際に、この記事も突き詰めて考えれば、HTMLやCSSが活用されており、画像を表示したり文字を記載したりできているのは、これらの技術のおかげです。

加えて、Web業界にはHTML、CSSのようなコンピュータに認識させる言語が100種類近く存在しており、PHP、JavaScriptなどさまざまな言語があります。

これらの言語を人間が認識できる状態に変換する行為を「レンダリング」だと覚えておけば問題ありません。

3DCG業界のレンダリング

3DCG業界におけるレンダリングとは、コンピュータが認識できる3Dデータを2Dの画像データや映像に変更する作業のことを指します。

Blender(ブレンダー)などモデリング用ソフトウェアのデータをレンダラーと呼ばれるレンダリング専用のプログラム内で変更し、認知できる状態に仕上げます。

3DCGのレンダリングにおいては、他の業界のレンダリングよりも複雑な内容が存在します。

ここから3DCG業界のレンダリングについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

3DCGレンダリングの主な2つの分類

3DCGのレンダリングにおいて、レンダリングは大きく2つの分類に分けられます。

  1. リアルタイムレンダリング
  2. プリレンダリング

ここでは、それぞれの違いについて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

リアルタイムレンダリング

1つ目の方式が、リアルタイムレンダリングです。

リアルタイムレンダリングとは、CGや画像を短時間でレンダリングする方法のことを指し、パソコンが人間と同じタイミングでレンダリングします。

たとえば、数学の100マス計算を行う際に、1人が100マス分計算するのと、100人がそれぞれ1マスずつ計算するのでは、後者の方が早く処理できるでしょう。つまり、リアルタイムレンダリングにおいて素早くレンダリングを行うためには、数台のパソコンを使用して計算処理を行う必要があるのです。

また、数台のパソコンを使用しなければ、高画質を短時間で出力することは難しく、レンダリングに大幅な時間がかかってしまいます。

このことから、リアルタイムレンダリングを実施する場合は、高性能スペックのパソコンでレンダリングを行う必要があると理解されています。

プリレンダリング

プリレンダリングは、リアルタイムレンダリング以外のレンダリングを指す単語です。

リアルタイムと比較して、オフラインレンダリングと呼ばれることもあります。

こちらのレンダリング方式では、速度は求められていません。

その代わりにより質の高いレンダリングを行い、よりリアリティの高い映像・画像を作成することが求められます。

つまり、素早くある程度視覚的にみやすい状態を作るのが「リアルタイムレンダリング」に対して、じっくりと画像・映像を抽出していくのがプリレンダリングです。

GPUレンダリングとCPUレンダリングの違い

レンダリングにはGPUレンダリングとCPUレンダリングがあります。

これらの違いは、まさしくレンダリングを行うパーツの違いで、パソコンのCPUでレンダリングを行うか、GPUでレンダリングを行うかという違いしかありません。

それぞれのレンダリングには主に次のような違いがあります。

  • CPUレンダリング:連続的な計算処理は得意だが、大量のデータは苦手
  • GPUレンダリング:大量のデータを処理するのが得意だが、CPUレンダリングより質が劣る

つまり、この特性から考えると、CPUレンダリングはプリレンダリングに向いており、GPUレンダリングはリアルタイムレンダリングに向いています。

3DCGにおけるレンダリングの種類

3DCGのレンダリング方式に関して、主に5種類の方式があります。

  1. レイトレーシング(Ray tracing)
  2. ラジオシティ(Radiosity)
  3. スキャンライン(Scanline rendering)
  4. Zバッファ法(Z-buffer)
  5. トゥーンレンダリング(Cel-shading)

それぞれの方式について詳しく紹介します。

レイトレーシング(Ray tracing)

レイトレーシングは、光の屈折と反射の計算によって、リアルな画面を表現するレンダリングのことです。

現実世界の光などを物理計算に当てはめて画面作成に活かし、レンダリングを実施しています。

そのため、リアルなグラフィックスが求められるレンダリングには最適な方式となっています。

ラジオシティ(Radiosity)

ラジオシティは物質の表面反射を計算する方式のことです。

レイトレーシングと似た方式ではありますが、画面に使われている環境の光も吸収し、レンダリングを行います。

そのため、たとえば赤色の部屋の中に置かれた白色の球体をレンダリングする場合、周りの光も反映し、少し赤みがかったレンダリングに仕上げることが可能です。

ただし、レイトレーシングよりも計算式が複雑になり、多くの時間がかかってしまうデメリットはあります。

スキャンライン(Scanline rendering)

スキャンラインは、スクリーンの奥から一行ごと計算していくレンダリング方式のことです。

光の屈折を計算しないため、レイトレーシングやラジオシティと比較して品質が劣ってしまう場合が多いです。

ただし、レンダリングの時間を大幅に短縮できるメリットはあるため、仮のデータを相手に送付する場合には最適な方法だといえるでしょう。

ちなみに「フォンシェーディング」を活用してモデルを作成すれば、簡単に高クオリティのレンダリングを行えます。

Zバッファ法(Z-buffer)

Zバッファ法は、隠れている部分の計算を省略し、手前にあるものだけをレンダリングする方式のことを指します。

後ろの計算式を丸ごと除外できるため、全ての物理計算を行う方式よりも素早くレンダリング可能です。

ただし、半透明のガラスなどのモデルの場合は、前後情報が混ざってしまい、Zバッファ法を活用できないというデメリットがあります。

トゥーンレンダリング(Cel-shading)

トゥーンレンダリングは、主にアニメーションで活用されるレンダリング方式です。

3Dモデルをアンリアルに映すことに特化した表現手法で、3Dモデルをあたかもセルアニメーションのように見せることが可能です。

近年では、ジブリ映画やエヴァンゲリオンなど一部トゥーンレンダリングを使った映画制作が実施されています。

コスト削減にはクラウドレンダリングがおすすめ

ここまで、レンダリングの方式などを紹介してきましたが、どのレンダリング方式でも画面を作成する場合、ある程度時間がかかってしまいます。

そこでおすすめなのがクラウドレンダリングを活用する方法です。

クラウドレンダリングのメリット

クラウドレンダリングはインターネット上で利用できるレンダリングサービスです。数台のパソコンやサーバーが構築されたレンダーファームがクラウド上に用意されており、そこからレンダリング処理を実施できます。

高性能のパソコンを活用してレンダリングを実施できるため、サーバー構築の費用がかからず、高いコストパフォーマンスでレンダリングが可能。通常のパソコンでは10時間かかるレンダリングを1時間程度で仕上げることも可能です。

つまり、高速で質の高いレンダリングを行えるというメリットがあります。

クラウドレンダリングを利用するならRender Poolがおすすめ

Render Pool(レンダープール)

クラウドレンダリングサービスはさまざまな企業から提供されています。

当社モルゲンロットも、クラウドレンダリングサービスとして「Render Pool」を提供しています。

ここでは、Render Poolを活用するメリットを3つ紹介します。

低コストで高速なレンダリングを利用できる

Render Poolを利用すれば、低コストで高速なレンダリングを利用可能です。

具体的には、1分3円のコストパフォーマンスでレンダリングを実現できます。

自宅のパソコンで作業するより圧倒的に早く完成できるとともに、1時間180円のコストパフォーマンスで利用できるのは大きなメリットでしょう。

初期設定不要で初心者でも簡単

Render Poolはブラウザからファイルを添付するだけで簡単に利用可能です。

複雑な初期設定を行う必要もないため、初心者でも簡単に利用できます。

また、ブラウザのUIも優れているため、より効率的にレンダリング作業を実行できるでしょう。

事前課金制のため追加料金が発生しない

Render Poolは事前課金で利用できます。

また、レンダリングで大幅な時間がかかったとしても、事前に支払ったコスト以上支払っていただく必要はありません。

シンプルな料金体系で無駄なく利用できるため、コストに心配を抱えている方でも安心です。

まとめ

レンダリングの概要や主な種類などについて詳しく紹介しました。

レンダリングは、コンピュータが認識できる数字や文字の羅列を人間が認識できる状態に変換する作業のことで、Webで制作を行う場合は必ず出現する作業です。

今回お伝えした内容も参考に、レンダリングへの理解を深めていただければと思います。

また、3DCGのレンダリングは他のレンダリング作業と比べて、マシンパワーを使います。

そのため、高性能のマシンを導入するのが一般的です。

ところが、当社モルゲンロットが提供しているRender Poolを使用することで、そういった環境構築一切不要で、質の高いレンダリングが実行できます。

  • 1分3円からの高コストパフォーマンス
  • 1,000 台以上の高性能GPUサーバーを利用可能
  • 非常に見やすいインターフェイス

Render Poolにはこのような魅力があるため、初心者の方でも安心して利用できるでしょう。

また、初登録の場合、無料のレンダリングクレジットが利用できるので、ぜひ以下のリンクから機能を体験してみてください。