【2022】3DCGでのレンダリングとは?時間を短縮しコストを抑える方法は?


by Render Pool

7月 22, 2020

3DCG制作の場で欠かせない工程の「レンダリング」。

レンダリングはコストが大きく、全体の作業効率にも影響を与えます。

そのため、レンダリングの最新情報を把握し、業務にあわせて最適化することが重要になります。

今回は、3DCG制作に役立つレンダリングの知識をお伝えしていきます。

3DCG制作でレンダリングは不可欠な要素

3DCG制作の場でのレンダリングとは、3DCG編集ソフトで加工を加えた画像や映像を1つのファイルにまとめる工程です。

この作業では、膨大なデータを計算処理する必要があります。

レンダリングの目的

3DCGとは、3次元のものを2次元に処理することです。

アニメや映画、ゲームなどに幅広く活用され、奥行きのある立体的なキャラクターや風景を表現することができます。

 

立体的でリアリティあるイメージを作るためには、光源や質感、模様などを設定する必要があります。

これらは数値データとして設定されるものです。

人の目で認識する画像や映像にするためには、コンピュータを用いた計算処理によって最終のイメージを生成する必要があります。

レンダリングの種類

一口に「レンダリング」と言っても、計算方法の種類によって異なる印象を出すことが可能です。

もっとも一般的なレンダリング方法は「レイトレーシング」です。

レイトレーシングでは、光や影、反射などを高精度に描写できますが、処理しなくてはならない計算量が多いためレンダリングに時間がかかります。

 

「スキャンライン」は、画像を横一行に分割し、視点からの距離が近いものを優先して表示するレンダリング方法です。

レイトレーシングより短時間でレンダリングが可能ですが、品質は劣ってしまいます。

 

その他にも、レイトレーシングよりさらにリアルな描写が可能な「ラジオシティ」や、アニメーションなどに使われる「トゥーンレンダリング」などの手法があります。

求めるアウトプットや効果を検討して、最適な手法を選択しなくてはなりません。

リアルタイムレンダリングの活用の広がり

3DCGは、ゲームやVRなどにも活用されています。

ユーザーの体験価値を高めるために用いられるのが「リアルタイムレンダリング」です。

リアルタイムレンダリングとは、その名のとおり即時にレンダリングをおこなう手法です。

ユーザーの操作や動きに合わせてリアルタイムに画像を表示できるため、体験価値を高めることが可能になります。

従来のレンダリングよりもアウトプットの品質は劣りますが、技術の進歩によって差は縮まりつつあります。

レンダリングの課題は時間とコスト

高度な3DCG作成になるほど、レンダリングには時間がかかります。

設定されるデータ量が膨大になり、計算時間が延びるためです。

また、高品質な3DCGを作るためには膨大な計算量が必要です。

計算処理を実行できるハイスペックなマシンが必要になります。

高度な編集を加えるとレンダリングも長時間になる

3DCGのレンダリングでは、光源の位置や数、向き、テクスチャ、影などさまざまな要素を追加してリアリティを出していきます。

そのぶん必要な計算処理が多くなるため、レンダリング時間が長くなります。

高度な編集を加えるほど、レンダリング時間が延びることを想定しておかなくてはなりません。

ハイスペックなマシンが必要

一般的にレンダリングは、CPUによっておこなわれます。

CPUはコンピュータの制御や演算をおこなう中枢機能です。

このCPUの性能によっては、高度なレンダリングができないケースもあるのです。

そのため、計算処理が可能なハイスペックなマシンを用意する必要があります。

スペックが上がるほどマシンの費用は高額になるため、初期投資にコストがかかることになります。

ランニングコストも発生する

3DCG制作の場では、膨大なレンダリングが必要になります。

マシンだけでは性能が足りないため、サーバーを使ったレンダリングをおこなうことが一般的です。

サーバーを使ってレンダリングをおこなう場合、設備投資だけでなく、電気代や、保守・運用のコストが発生します。

レンダリングに関しては、ランニングコストも考慮しておく必要があるのです。

レンダリングを最適化する方法

レンダリングは大きな時間と費用がかかることから、最適化することで業務時間の短縮やコストを削減することが可能です。

設定の最適化で時間とコストを低減

求めるアウトプットの質に合わせて設定を最適化することで、処理時間を短縮しコストを下げられます。

レンダリングは、画像や映像に加える情報が多いほど時間がかかります。

光源の数や影を減らしたり、オブジェクトやテクスチャを簡略化することで計算量を減らすことが可能です。

CPUレンダリングとGPUレンダリングを使い分ける

レンダリングを高速化・省コスト化する手法としておすすめなのが「GPUレンダリング」です。

グラフィック処理に利用されるGPUは、同時に大量の作業をおこなうのが得意です。

そのため、GPUレンダリングではCPUの数倍から数百倍の速度で処理を完了できます。

また、GPUはCPUと比べてハードウェアのコストが小さいため、初期投資・ランニングコストともに抑えることが可能です。

ただし、レンダリングにかかる時間は短いものの、CPUのように高精度な計算は不得意なため、アウトプットの品質は下がってしまいます。

そのため、

  • CPUレンダリング:時間がかかっても高品質なアウトプットを求める場合
  • GPUレンダリング:品質よりも即時に大量のアウトプットが必要な場合

はというように、上手に使い分けることをおすすめします。

3DCGレンダリングにはレンダリングサーバー導入がおすすめ

大量の計算処理を必要とするレンダリングは、レンダリング専用サーバーを利用するのがおすすめです。

サーバーはコンピュータの一種であり、パソコンとは違って「他のコンピュータのためにデータを処理する専門のコンピュータ」です。

例えば、会社や自宅のパソコンで3DCGを制作する際に、パソコンでCGのイメージを作りながら、レンダリング処理はサーバーに任せておくというような使い方ができます。

レンダリングサーバーとは

サーバーはコンピュータの一種ですが、データ処理に特化した作業をおこなうことができます。

具体的には、編集はパソコンでおこないながらレンダリングはサーバーで実施するという使い分けが可能です。

レンダリングサーバーで業務の効率化が可能

大量の計算処理を必要とするレンダリングは、パソコンに大きな負荷がかかります。

それだけでなく、レンダリング中は平行して他の作業ができないなど、全体の効率を下げることにもつながります。

レンダリング専用のサーバーをパソコンとは別に用意することで、他の作業の効率を落とさずにレンダリングが可能になります。

レンダリングサーバーの社内構築はコストが高い

レンダリングサーバーを持つと作業の効率化は図れるものの、さまざまなコストがかかります。

サーバーを購入する設備費や、設置する家賃、電気代、運用人員などのランニングコストも発生します。

専門的な知識が必要になるため、小規模な企業では困難なケースも出てくるでしょう。

3DCGのレンダリングにレンダーファームを活用

3DCG制作の場で、レンダリングをおこなう際におすすめの方法がレンダーファームの活用です。

レンダーファームとは

レンダーファームとは、レンダリング専用のパソコンやコンピューター(サーバー)を複数台接続したものです。

レンダリングサーバーとも呼ばれます。

1台のパソコンで処理するよりも高速にレンダリングを実行できることが特徴です。

レンダーファームは、物理サーバーなどを用意する方法と、クラウドベースで構築する方法があります。

レンダーファームを利用するメリット

レンダーファームを採用する最大のメリットは、レンダリング専用のコンピュータを数台〜数百台集めているため、高負荷の処理を高速におこなえる点です。

3DCGの制作は専用のソフトでおこないますが、より複雑な効果を必要とする場合は標準機能だけでなく、さまざまなプラグインを追加することが一般的です。

企業が提供しているレンダーファームは、これらのプラグインに対応しているため、スムーズに利用できるのです。

レンダーファームを自社で構築するためには、高額な設備投資や知識が必要になります。

しかし専用のサービスを利用することで、初期投資や運用コストを抑え、業務に集中することが可能になります。

クラウドベースのレンダーファームを利用しよう

レンダリングサービスの中でも、クラウド上で動作するクラウドベースのレンダリングサービスの利用がおすすめです。

クラウドベースのレンダリングサービスは、インターネット上のクラウドサーバでレンダリングをおこなうことで、ブラウザを使って手軽に利用可能です。

 

クラウドレンダリングのメリットは、必要に応じて利用できる点です。

物理サーバーを利用する場合、突発的な受注が発生しても対応が困難です。

また、サーバーを増強したあとで受注量が減った場合、大きな負債につながるリスクがあります。

その点、外部のクラウドサーバーを利用すると、柔軟に調整が可能になるのです。

 

また、現在利用しているパソコンで作業をおこなえるため、高価なハイスペックマシンを用意する必要もありません。

レンダリング中に他の作業を進めることも可能です。

まとめ

3DCGはさらに高品質となり、活用の場が広がることが予想されます。

レンダリングの最適化もより重要になるでしょう。

 

Render Pool(レンダープール)は、1,000台以上のレンダリングサーバを利用したGPUレンダリングを利用可能です。

従量課金制のため、予算の心配なくレンダリングを行えます。

レンダリング用のファイルをアップロードするだけで利用できるので、専門知識がなくても使うことができます。

Render Pool

Render Poolを使って、効率的な3DCGレンダリングをおこないましょう。