【2024】レンダリングとは?3DCG・動画で使われる手法をわかりやすく解説


by Render Pool

11月 23, 2023

3DCG制作において、「レンダリング」ということばを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?

しかし、ざっくりとレンダリングについて理解していても、レンダリングの仕組みや手法などについて理解が浅い方も少なくないはずです。レンダリングを理解することで、高品質な映像・画像を手に入れられるため、3DCGの作業を行っているなら理解を深めるべきです。

今回は、レンダリングの意味や種類、手法などについて解説します。主に3DCGの分野に焦点を絞って紹介しているので、レンダリングについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

レンダリングとは

レンダリングとは、コンピュータ上で映像や画像を生成するためのプロセスです。主に3DCG分野で語られる話ですが、3Dオブジェクトやシーンを作成し、光や影、質感などの要素を追加してリアルな映像を生成するのがレンダリングです。また、特殊効果の追加を行うこともレンダリング処理の一つです。

さらに、Web制作や音楽制作など、3DCG以外の分野でもレンダリングという言葉が使われます。具体的には、ウェブページのデザインやアニメーション作成においてもレンダリングが利用され、映像や画像を最適化して美しく表示する役割があります。

従来、レンダリングは計算量が多いために高性能なコンピュータや専用のソフトウェアが必要な作業でした。しかし、近年の技術の進歩により、一部のタスクではクラウドベースのレンダリングサービスが利用できるようになりました。

レンダリングが必要な理由

レンダリングは、現実の光や影、質感などを再現するために必要です。これにより、よりリアルな映像や画像を作成することができます。たとえば、建築業界では、建物の外観や内部のデザインをリアルに表現するためにレンダリングが必要です。

また、アニメーション映画制作では、特殊効果やCGキャラクターの表現にレンダリングが欠かせません。そのほか、医療現場で臓器のモデリングを行ったり、物理シミュレーションを行ったりすることにも使われており、現物を使用しての検証が難しいシーンでレンダリングを使うことが多いです。

プレビューとレンダリングの違い

プレビューは、制作した映像や画像を確認するための一時的な表示です。

たとえば、リアルタイムでの動作確認や修正を行う際にはプレビューを使用します。一方、レンダリングは、最終的な映像や画像の生成を行うステップです。プレビューよりも高品質な映像や画像を生成するため、作業を完了するために多くの時間がかかることがあります。

たとえば、3DCG制作の分野においては、現在制作しているモデルをクライアント・チームに共有する際に「プレビュー」のスクリーンショットを使用し、納品物を提出する際に「レンダリング」を行います。

レンダリングが関わる業種

続いて、レンダリングがかかわる業種について解説します。

動画制作

動画制作では、「書き出し」と呼ばれる作業が発生します。これは、制作した映像を各種プラットフォーム(YouTubeやXなど)に最適な形に仕上げる作業のことです。

この書き出し作業が動画制作におけるレンダリングです。動画制作のレンダリングは使用しているテロップやエフェクト、映像の解像度などさまざまな要素で変動します。

実際、とある人気YouTuberは映像の書き出しに8時間かかることもあると公表しており、動画制作におけるレンダリング作業は多くの時間がかかることを理解していただけるでしょう。

3DCG制作

3DCG制作では、現実感のある光や影、質感を再現することが求められます。レンダリングによって、よりリアルで迫力のあるアニメーション・画像を作成することができます。

また、モデリングやテクスチャリングなどの作業も行い、詳細な表現を追加することができます。これにより、視覚的に魅力的で没入感のある3DCG作品を制作することができます。

Web制作

Web制作では、インタラクティブな要素やアニメーションボタンを取り入れることがあります。これにより、ユーザーがウェブサイト上でより深く関与し、楽しむことができます。この操作をユーザーに表示するためにレンダリングを行っています。

ユーザビリティの高いサイトやレスポンシブデザインに対応しているサイトなど、要素を追加するほどレンダリングにかかる時間が多くなります。サイトの表示速度はユーザーの離脱率に大きくかかわるとGoogleの調査で明らかになっているため、Web制作ではレンダリングにかかる時間をできるかぎり短縮する工夫が必要となります。

楽曲制作

楽曲制作では、ミキシング・マスタリングなどの作業を終え、聞きやすい音源を制作します。その後、動画制作と同様に音源を書き出す時間があり、このことを楽曲制作における「レンダリング」と呼びます。

レンダリングを行わなければ、各種プラットフォームに音源をアップロードしたり、CDを制作したりすることができません。

3DCGにおけるレンダリングの手法

話を3DCGに戻しましょう。続いて、3DCGの現場で用いられるレンダリング手法を2つ紹介します。

プリレンダリング

プリレンダリングは、事前に計算を行い、静止画像や事前に用意した映像を生成する手法です。リアルな映像を作成するためには時間がかかりますが、高品質な結果が得られます。

また、プリレンダリングでは、緻密な照明効果や影の表現など、細かなディテールを再現できるという特徴があります。たとえば、ゲームにおけるオープニングムービーや途中で差し込まれるストーリーパートの映像などがプリレンダリングとなります。

リアルタイムレンダリング

リアルタイムレンダリングは、ゲームやVR、シミュレーションなど、リアルタイムで映像を生成する手法です。リアルタイムに映像を生成するため、処理速度が求められます。この手法では、リアルタイムでCGを制作するため、ユーザーが操作した動きに合わせてレンダリング結果を変化させることができます。

従来は、リアルタイムレンダリングに多くの時間を要していた事実がありました。ロード画面が長くコントローラーを投げ出してしまった方も多かったですが、昨今はリアルタイムレンダリングにかかる時間が大幅に短縮され、品質も向上しました。そのため、プリレンダリングとほとんど変わらない画質で表現できるようになりました。

3DCGにおけるレンダリングの種類

「レンダリング」と一括りに呼ばれますが、やり方によってレンダリングはさまざまな種類があります。ここでは、3DCG分野におけるレンダリングの主な種類を6つ紹介します。

レイトレーシング

レイトレーシングは、光線の追跡によって光の反射や屈折を再現する手法です。この手法を用いることで、より現実的な光の表現を実現することができます。光線の追跡によって、物体が反射したり屈折したりする様子を計算し、リアルな質感や影の表現を高めることができます。

フォトリアルな画面を作りたい場合に多く用いられる手法ですが、その分レンダリングにかかる時間が長くなることには注意が必要です。

パストレーシング

パストレーシングは、光線の追跡を行い、光の反射や屈折を計算する手法です。これにより、物体が光を受けて反射したり屈折したりする様子を計算し、より現実的な映像を作り出すことができます。

また、パストレーシングはレイトレーシングと同様に使用され、リアルな映像の生成に貢献します。光線の追跡によって、より詳細な光の表現を実現し、映像のクオリティを向上させることが可能です。

ラジオシティ

ラジオシティは、間接的にあたる光を表現することに長けている手法です。特に、光源が多い場面や、光の拡散や散乱が重要な場面で使用されます。

ラジオシティを用いることで、光の表現がより詳細になり、リアルな映像を作り出すことができます。光の放射輝度を正確に計算することで、光の振る舞いをよりリアルに再現することができます。

ただし、非常に複雑な計算式が発生するため、計算に多くの時間を要するデメリットがあります。事実、レイトレーシングよりも多くのレンダリング時間が必要です。

スキャンライン

スキャンラインは、画像をスキャンするようにして生成する手法です。古くから使われている手法であり、効率的に映像を生成することができます。この手法では、画像を水平方向に一列ずつ処理することで、画像全体を生成していきます。

スキャンラインを使用することで、高速に映像を生成できますが、高品質な画像を手にすることは難しいです。そのため、プレビューよりも品質の高い画像を手にしたいけど、そこまで多くの時間をかけたくないという場合に役立ちます。

また、フォンシェーディングなどほかの技術を使用することで、レンダリング時間を短縮しつつ高品質な画像を手に入れられます。

トゥーンレンダリング

トゥーンレンダリングは、アニメーションや漫画のような独特のスタイルを再現する手法です。カートゥーン調の映像を作成することができます。

トゥーンレンダリングは、映画やゲーム、広告などの映像制作に広く利用されています。この手法を使用することで、リアルな映像では表現しきれない独特な雰囲気や表現力を持った映像を作り出すことができます。

Pixerが手掛ける映画作品をイメージすると、トゥーンレンダリングを理解しやすいでしょう。

z-バッファ法

z-バッファ法は、画像の奥行き情報を計算する手法です。この手法では、隠れている部分のレンダリングを省略するため、レンダリングにかかる時間を大幅に短縮可能です。

ただし、後ろの物体が影響する影を表現できなかったり、透過して後ろのマテリアルが見えるといった状態を作ることはできないため注意が必要です。

レンダリングを行うなら「Render Pool」がおすすめ

Render Pool

上述したように、レンダリングには多くの時間がかかります。「レンダリングの時間を短縮して作業を効率化したい」「とはいえ、高スペックのPCは購入できない」と悩む方も多いのではないでしょうか?

そういった場合には、当社モルゲンロットが提供するレンダリング作業を効率化できるクラウドレンダリングサービス「Render Pool」の活用がおすすめです。ここでは、Render Poolの魅力を3つ紹介します。

高速でレンダリングを行える

Render Poolを利用すると、高速な計算能力を持つサーバーでレンダリングを行うことができます。

Render Poolには1,000台以上の高性能サーバーが用意されており、それぞれに複数のGPUを搭載した自立分散処理アルゴリズム「Excalibur」を搭載しています。そのため、1,000フレームを超えるような巨大なデータもレンダリング可能です。

事実、通常のPCで78時間かかるレンダリング作業をたったの3時間で終わらせた実績があります。

1分3円の低コストで利用できる

Render Poolは、リーズナブルな価格で利用することができます。1分につきわずか3円でクレジットを使用してレンダリング作業を行えます。

また、ポイントを使用してレンダリングするデポジット式となっており、レンダリングにかかる時間が延びてしまっても、追加料金は一切かかりません。

初心者でも簡単に利用できる

多くのクラウドレンダリングサービスは操作方法が複雑であり、まったく初心者の方には操作が難しい傾向にあります。加えて、日本語に対応していない場合が多く、操作方法を理解するにはある程度英語を理解しなければなりません。

しかし、Render Poolは日本に拠点を置くサービスであり、UIが日本語に完全対応しています。そのため、日本人であれば誰もが簡単に利用し始められます。

まとめ

レンダリングについて詳しく解説しました。

レンダリングは、動画制作や3DCG制作、Web制作、楽曲制作など、さまざまな業種で重要な役割を果たしています。3DCGにおいては、さまざまなレンダリング手法があり、求めているクオリティを実現できる最適な手法を選択する必要があります。今回ご紹介した内容も参考に、レンダリングについての知識を深めていってください。

効率的なレンダリング作業を行うには、当社モルゲンロットが提供する「Render Pool」というクラウドレンダリングサービスの活用がおすすめです。Render Poolで1分3円の快適なレンダリングを行ってみてください。

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